懐疑心 ページ34
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元々着ていた制服を脱ぎ捨て、真新しい制服へと衣を変える。
まだ新しい服の匂いに、なんだかこなれない感じがして窓に映った自分の姿を見るのが少し気恥しい。
セーラー服なんて中学で着ていたぶりだ。その時はスカートも膝下丈で可愛さというより純真さといった感じだった。
けれど、この制服はそんな純真さとはかけ離れたデザインになっている。
『スカート長くない……?』
用意されたスカートを広げてから驚いた。
中学時代に着用していたスカートの丈なんてゆうに超えた長さのフレアスカート。
くるぶしより少し上のラインで途切れた丈は、私がイメージしていた可愛らしさとも、はたまた純真さとも微妙に異なる。
良く言えば清楚……しかしどことなく威圧感のある雰囲気に仕上がった。
「おお、良いねー!似合ってるよ」
さすが僕、センスが良い。私が部屋から出てくるなりそんなふうに自画自賛している五条先生に向けて、私は懐疑の目を向ける。
何を求めてこんな風にカスタムしたんだろうこの人。私はそんなにガラが悪く見えるだろうか。
『私、もっと東京って感じの短めなプリーツスカート想像してたんですけど』
「そう?東京だってお嬢様学校じゃこんなもんでしょ」
『いや、至って普通の一般人ですよ私……』
そんな私の不満は、「はしたないからダメ」という一言で一掃されてしまった。
タイツを履くから別に良いだろうと言ってみたものの、どうやらそういう問題ではないらしい。
とは言え、何を言ったってこの人に任せっきりにしてしまった私が悪いのは明確なので、不本意ではあるがこの場は引き下がることにした。
『それで、これから何するんですか?転入生の挨拶とか?』
「それがさ、悪いんだけど今二年生達は皆出払っててね。君は先に学長と面談。その後は悠仁達と合流して、一年生に同行してもらうことになる」
『ああ、結局面談はあるんですね』
それはそうか、学長だもんな。どこの学校だって、面談無しには編入なんてできないし。
とは言え私、既に制服まで着させてもらっているけどこれで断られたらこの人はどうする気なんだろう。
そんな月並みの疑問が残されたまま、私は再び五条先生と学長の元へ向かうことになった。
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いか焼き - 好きです!!! 最高すぎます、、、応援してます!今から2を読んできます!楽しみすぎる…! (2022年7月4日 2時) (レス) @page50 id: 5bb1efd8a4 (このIDを非表示/違反報告)
ユナ(プロフ) - 宿儺の声が頭の中で聞こえたらワイある意味死んでう( ´ཫ`)って思いながら見ました←めっちゃ面白いです!!応援してます( ˃ ˂ ) (2022年1月25日 0時) (レス) @page31 id: dce21dc0b1 (このIDを非表示/違反報告)
古椎エゴ(プロフ) - Tomorrowさん» ご指摘ありがとうございます。変換ミスしていたみたいです!知らせていただき助かりました! (2022年1月24日 17時) (レス) id: c3c7b307dc (このIDを非表示/違反報告)
Tomorrow(プロフ) - コメント失礼します。とても面白くて何度も読み返してます!ところでなんですけど、祥子ではなく硝子だった気がします!間違えてたら申し訳ないです! (2022年1月24日 17時) (レス) @page30 id: 81fe567fc7 (このIDを非表示/違反報告)
ミーコ(プロフ) - 面白いです!宿儺推しなのでこの話はとても好きです!がんばって書いてくださいね!応援しています! (2022年1月23日 23時) (レス) id: b974f3c01e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:瀛 | 作成日時:2022年1月22日 17時