二十三回目 ページ23
裕「だからさぁ…なんでいちいちこんなとこに歩いてこなきゃなんないの？」
高時の真後ろを歩きながらまた裕也が悪態をついている。もはやしんどいと体が語っている。
高「それで大丈夫か、情報屋。」
裕「いやまあ、体力つけないとってのはあるけど。…ってか、母さんが異常なんだよあれ！同じルート歩いたらヘトヘトだったんだけど！」
高「お前もそんくらい頑張れ！」
裕「あんたもあんたでおかしいよな？あんたほんとに還暦越えたの？さっきから走っても絶対抜かれてんだけど！」
高「走るからだろ、落ち着けよ。」
裕「あんたが競争だなんだって言って走り出したのが発端だがな！」
その日の朝、京都の親父さんのところで裕也は高時と待ち合わせしていた。裕也を見ると高時は問答無用で尾張に行くと言い出した。ならば最初から京都にいるな、という話だ。
何はともあれ、高時の驚異的なスピードのおかげ(？)で昼過ぎには尾張に着いた。早いのはよかったが、足は辛いし息も上がるしで散々だ。残念ながらそうなっているのは裕也だけらしく、高時は平然とペースを落とさずに歩いている。
裕「死ぬ…もっちょいゆっくり行かね？」
高「なんだ？疲れたのか？だったらほら、背負ってやろうか？」
裕「あんたの中にはペースを落とすっていう言葉はないんですか！」
叫んでから気づいた。辺りが異様に静かなのだ。周りに目をやると、墓場にいることがわかった。
裕「…じいさーん、ここがわかってたなら俺を止めてよな？すっげー不謹慎じゃん。」
高「あ？お前ってそういう人間だろ？」
裕「俺をけなしたいのか！」
高「大事な孫には少しだけ刺激を与えないといけないって誰かが言ってた気がする。」
裕「誰だよ！つーか、刺激っていうかあんたのそれは貶すって言うの！」
肩をすくめて高時は黙々と歩き続けた。仕方なく、裕也も黙ってついていく。
どのくらい歩いただろうか。ふと、突然高時が立ち止まった。目的の人の元へ―厳密に言えば墓だが―に着いたようだ。
高「…誰かと思えば、久々だな。」
違う。祖父が見つけたのは…。
「…年取っても相変わらずだな。とっととくたばったかと思ったが。」
高「俺がそんなやわに見え
るか？」
「阿呆な事件に巻き込まれて死にそうな顔をしている。」
高「お前はお前で死相があるよな…。自分の好きなように行動して、他人に迷惑かけて返り討ちにされそうだからな。例えば。」
高時から僅の殺気を感じた。
高「関ヶ原とか…？」
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ななみ(プロフ) - 疾風少女、めっちゃ感動しました〜！何回見ても泣けましたよ(^^♪ 笑えるところもいっぱいでした。頑張ってください(*´∀｀*) (2014年8月29日 10時) (
レス) id: abde43f194 (このIDを非表示/違反報告)
月詠命 - 最近忙しくて、なかなか見れずにいましたが、久々に見れました！やっぱりこの作品とても面白いです！更新頑張ってください！ (2014年8月16日 13時) (レス) id: 257169186b (このIDを非表示/違反報告)
桜楼(プロフ) - 白鈴さん» すみません、なかなか忙しくて…。応援ありがとうございます！ (2014年5月31日 21時) (レス) id: b7bc56638c (このIDを非表示/違反報告)
白鈴 - (たぶん)はじめまして、白鈴と言います。本編のほうも番外編のほうも、この小説、大好きです！更新、頑張ってください♪応援してます！ (2014年5月8日 19時) (レス) id: c5c1a67bf2 (このIDを非表示/違反報告)
月詠命 - こちらこそよろしくお願いします。続きを詠めるのを楽しみに待ってます。 (2014年3月3日 21時) (レス) id: 49e70c2b0c (このIDを非表示/違反報告)
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