十六回目 ページ16
「だからね？・・・・あーもう！なんで皆私に聞きにくるかな！？私だって言いたいことといいたくないことぐらいあるっての！」
「黙れ、職務怠慢。それぐらいやれよ。」
「簡単に言うなや。」
二人の様子を横目に、莉那と美優は苦笑いの顔を見合わせた。
「やっぱり、いつもこんな感じなの？お二人って。裕也君から聞いてた通りだけど・・・。」
「いつもです。もう、周りが呆れるぐらい。刑部さんも段々面倒になってきたって言ってたから。たぶんそのくらいは長い。」
裕也と正澄が近江の村に行っていた頃、美優も大阪城を訪れていた。理由は裕也とほぼ同じだ。
「Aさん。やっぱり私が知ったら何かまずいんでしょうか？」
「まずいもクソも、その張本人が私の真横にいるんだけどね。そりゃあ話しづらいったらありゃしない。・・・・って、言ってるんだけど！？」
「もう気にしてないって言うのも何回目だ！このままだと美優が徒労に終わるだろうが。お前の職務怠慢によって。それともあれか？年をとって感情に浸りやすくなったのか？泣くか？人の過去を話して泣くか？」
「よーし美優！！細かいところまで話すからよーく聞いとけよ！！」
莉那が三成の方を見ると、Aに対して『扱いやすい奴』という視線が注がれていた。わかりやすい人だ、どちらも。
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「そ、れ・・・。」
何か言おうとしても言葉が出なかった。正澄の首元に刻まれた大きな刀傷。よく見れば、真っ二つにされる寸前だったであろうことがうかがえた。
「まさか、それ、父さんが・・・？父さんの過去に関係してることって言ってたよな？なあ、伯父さん、どうなんだよ・・・。」
戦に出ていた人たちというのは、やはり古傷が多い。三成もまだ少しだけ残っている。前に見せてもらったが、ほとんど痕も消えかけていた。
だがこの人の傷は。戦に出ていないのになんでこんなにも痕が残るのか。もうだいぶ経っているはずなのに、痕が消えるような兆候がないことは遠目でもわかる。母が美優に言っていたのはこのことだったのだ。たぶん、正澄は長くは・・・・・。
思いを振り切ると、裕也は真っ直ぐに正澄を見た。血が染み込んでいる樹と共に。
「教えてくれ、伯父さん。父さんや伯父さんに何があったのか。」
「Aさん、教えてください。父や三成さんに何があったのか。」
別々の場所でAと正澄は頷いた。
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ななみ(プロフ) - 疾風少女、めっちゃ感動しました〜！何回見ても泣けましたよ(^^♪ 笑えるところもいっぱいでした。頑張ってください(*´∀｀*) (2014年8月29日 10時) (
レス) id: abde43f194 (このIDを非表示/違反報告)
月詠命 - 最近忙しくて、なかなか見れずにいましたが、久々に見れました！やっぱりこの作品とても面白いです！更新頑張ってください！ (2014年8月16日 13時) (レス) id: 257169186b (このIDを非表示/違反報告)
桜楼(プロフ) - 白鈴さん» すみません、なかなか忙しくて…。応援ありがとうございます！ (2014年5月31日 21時) (レス) id: b7bc56638c (このIDを非表示/違反報告)
白鈴 - (たぶん)はじめまして、白鈴と言います。本編のほうも番外編のほうも、この小説、大好きです！更新、頑張ってください♪応援してます！ (2014年5月8日 19時) (レス) id: c5c1a67bf2 (このIDを非表示/違反報告)
月詠命 - こちらこそよろしくお願いします。続きを詠めるのを楽しみに待ってます。 (2014年3月3日 21時) (レス) id: 49e70c2b0c (このIDを非表示/違反報告)
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