十四回目 ページ14
裕「なんだろう・・・あの二人の昔の話を聞くたびに疲れる気がする。」
さっき歩いているときに思い出した半殺しと皆殺しの話についてもそうだ。
裕「あの二人って昔からああなの？だったら俺、関係者にめちゃめちゃ同情するんだけど・・・。」
澄「まあ、お二人らしくていいじゃないですか。」
裕「そうは言うけどね、伯父さん。あの二人の昔話を全部聞いてたら身が持たないと思うよ。」
春の話もにわかには信じがたいし、大戦のあとに三ヶ月間海外旅行をしていたことや、会うたびに罵声を浴びせていたことを考えると・・・・よくわからなくなる。
裕「あの二人だからしゃーないって考え方は間違ってる？」
澄「それでいいと思います。」
裕「いいの！？こんな適当でいいの！？・・・・あ、ダメだ！母さんの意思受け継いでる！適当だ俺も！」
縁側に座ったまま裕也は大きくため息をついた。今日は冬にしては暖かい。昨日降った雪も解け始めている。
春と共に家から出て一ヶ月以上が経った。春の話を聞いて以来、裕也は当初とは違う目的であちこちを回っている。両親の過去、それを知る為にここにいると言ってもいい。言い合いになって本人達からは詳しく聞けないだろう。
裕「っていうか、最近変な天気ばっかりだなぁ。昨日は馬鹿みたいに寒かったのに、今日は暖かいし。なんでか知らない？」
澄「いや、それを調べるのが君の役目なんじゃないんですか。」
裕「マジか。こういうこともか。」
うんざりした様子の裕也を見て正澄は微笑んだ。この人が怒ったところをあまり見たことがない。母曰く、父並みに怖いそうだ。睨まれただけで泣き出した子供もいるらしい。
いつもといえば、この人も不思議な存在だ。裕也が見る限りいつも首元を隠すように布で覆っている。それどころか、夏の暑い日も袖を捲くることさえしない。
裕「伯父さん・・・。」
訊ねるなら、たぶん今だ。彼の周りには裕也以外誰もいない。
裕「その、なんでいつも・・・えっと・・・。」
澄「これですか？」
上手く言葉が出てこなかったのか、正澄は察した様子で首元を示した。
裕「はい、まあそのことだけど・・・。」
澄「本当に、何も知らないようですね。Aさんあたりから聞いているものと思っていましたが。」
Aはそういう、人の過去とかについては詳しく話したがらないのだ。裕也は素直に頷いた。すると、正澄が立ち上がった。
澄「それでは、行きましょう。君のお父上の過去を知りに。」
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ななみ(プロフ) - 疾風少女、めっちゃ感動しました〜！何回見ても泣けましたよ(^^♪ 笑えるところもいっぱいでした。頑張ってください(*´∀｀*) (2014年8月29日 10時) (
レス) id: abde43f194 (このIDを非表示/違反報告)
月詠命 - 最近忙しくて、なかなか見れずにいましたが、久々に見れました！やっぱりこの作品とても面白いです！更新頑張ってください！ (2014年8月16日 13時) (レス) id: 257169186b (このIDを非表示/違反報告)
桜楼(プロフ) - 白鈴さん» すみません、なかなか忙しくて…。応援ありがとうございます！ (2014年5月31日 21時) (レス) id: b7bc56638c (このIDを非表示/違反報告)
白鈴 - (たぶん)はじめまして、白鈴と言います。本編のほうも番外編のほうも、この小説、大好きです！更新、頑張ってください♪応援してます！ (2014年5月8日 19時) (レス) id: c5c1a67bf2 (このIDを非表示/違反報告)
月詠命 - こちらこそよろしくお願いします。続きを詠めるのを楽しみに待ってます。 (2014年3月3日 21時) (レス) id: 49e70c2b0c (このIDを非表示/違反報告)
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