［戦国basara］白百合の花と白椿の花其ノ二 (ページ9)

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捕われた当主様ページ9

秀吉は、美桜を優しく包むと、半兵衛の元へ歩いていく。
それに気付いた元親は、身体を引きずって秀吉の前へ出る

元親「…っ、っ」

美桜「…っう、元親…殿
もう…やめ…」

元親「俺は…っ、アンタを…っあんたの、親父から………っっ」

護れと頼まれた。そう聞こえた美桜は、元親を見やる

美桜「元親………」

美桜の知らないことを、周りの武将たちは知っている
それが不思議でたまらない
そこで、美桜は気を失ってしまった
最後の力を振り絞って元親は秀吉に掛かるが、力及ばず
殴られたり蹴られたり

元親も、ボロボロだった
そしてとうとう気絶してしまい、倒れる元親
その時、富嶽の甲板が脆くなっており元親は落ちていく

_______

次に目が覚めたのは、竹中半兵衛の元だった
腕も脚も骨が折れていてどうすることも出来ない美桜は、豊臣の兵に捕らえられていた

美桜「竹中……半兵衛…」

竹中「おはよう。美桜ちゃん。見てご覧、元親君も死に、潮が戻ってきた」

美桜「…っ！？」

要塞富嶽は戻ってきた海に押し潰され、元親の安堵も分からなくなってしまった
美桜は悲しくなり、俯いて様々な感情を我慢した

美桜「……く"..ぅつ"…」

元就はその美桜の一言に反応し、彼女の元へ歩み寄った

竹中「元就君…？」

そして、美桜の頬を蹴った

元就「貴様が我が捨て駒とならなかった罪は重い。貴様の父も、貴様の安芸への輿入れを拒んだ
我の夫婦となる事を拒んだのだ！」

美桜「……輿、入れ………？なんの、事だ」

まだ3つであった美桜を毛利の子息毛利元就へ嫁入りさせようと毛利軍は思っていたらしいが、それを美桜の父は昔拒否したらしいのだ
美桜の父、洛山藤次郎元康は様々な武将の同盟の証としての輿入れを拒み続けていた
元就もその1人

彼は、幼い頃から美桜に心底惚れていたのだった

竹中「元就君、落ち着きたまえ。
僕達はこれより大坂へ戻るよ
彼女も連れていくけど、いいかな？」

元就「好きに致せ」