［戦国basara］白百合の花と白椿の花其ノ二 (ページ6)

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四国と安芸の戦ページ6

長宗我部「野郎ども！！出陣の用意だ！！
豊臣と毛利を蹴散らして、一気に天下を頂くぜ！！」

「兄貴ィィー！！」

富嶽を安芸へと走らせる長宗我部
潮風に当たっている頃に、美桜は身支度を整えて甲板へ出た
先程の事を見ていたのだった

美桜「…随分とお優しいのだな。四国の鬼人は」

長宗我部「…アイツらだって、死んじまったら悲しむ奴らがいるんだ
俺にだって、アンタにだってな」

美桜「…ふん」

美桜は部屋へ甲板の後方にさがり、椅子に座った
そして家臣に出させた紅茶を優雅に飲む
安芸へ行くが、毛利の舟はまだ帆を降ろしていた
豊臣の到着を待っているのか、はたまた…

長宗我部「先手は取ったな」

美桜「とはいえ、豊臣が水軍を持っているとは聞いたことがない。
丘で軍を伏せているのかもしれんぞ」

長宗我部「………ハッどう出ようが一網打尽に代わりはねぇ！
攻めては踏み潰し、責められては寄せ付けねぇのがこの富嶽よ！！
野郎共！！11尺の大筒に球込めろォ！！
毛利の舟を、片っ端から蹴散らすぜぇ！！！」

大きな音を鳴らし、大砲を撃ちまくる。
だがこれも、毛利の策であったのだった

美桜「……(可笑しい。毛利は何も動かない
豊臣を待っている、もしくは伏せているにしても、これではまるで……)」

その時、緑の煙弾が打ち上げられた
それを合図と言わんばかりに毛利の舟は後方へ下がっていく

「毛利の舟が転身を始めました！！

！！？豊臣です！すげぇ数だ！！！」

豊臣の軍は毛利の舟で、浜辺に隠れていた

長宗我部「やはりなぁ。俺たちを引き付けて丘戦へ持ち込む気だ
乗ってやろうじゃねぇか。あんたらが持ち堪えればの話だがな」

美桜「(そんな単純な策なのか…？
あの竹中半兵衛と毛利元就の策だぞ。
なにか、奥があるはず……
なんだ…なんだ…一体…っ)！！？」

「兄貴！敵のでっけぇ武将が！海に！！」

その武将というのが、
豊臣秀吉であった
彼が地面を人殴りすると、潮がなくなり、海が引いていった
安芸の海を、風圧でどこか遠くへ押しやったのだった
その勢いで兵たちは飛んで行ってしまった者もいた。

美桜「あ…っ！！？」

長宗我部は美桜が飛ばされそうになった腕を掴み、肩を抱いては彼女を護る
突風がやんだ頃に海がなくなり、兵達が一斉に攻めてきた

「海を割きやがった！？」

「水が消えた…っ！？｣