［戦国basara］白百合の花と白椿の花其ノ二 (ページ17)

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美桜「父は、どういう人だったのだ」

松永「貴殿は、御父上のことはどれほど知っているのだ」

美桜は首を横に振った

美桜「洛山家の二代目当主であったこと、吉原の女と愛し合ったということ、そして私の父であったということ」

本当になにも知らない父のことを出来る限り答えながら整理した
松永は少し息をつき、口を開く

松永「君の御父上は、とても有名な武将でね。
信長公も、豊臣秀吉も、将軍でさえも彼の力を欲しがるほどの才があった

そして同時に、年を取らない化け物とも言えよう。
私は彼のことを子供の時より知ってはいたが、いつまでも容姿は変わらず、いつまでも青年のような容姿をしていた」

何を言っているのだとは思ってはいたが、自分なりに解釈をしつつ聞き入っていた

松永「彼は先生をしていたのだよ。洛山はそういう家計だった
将軍の世話係を任せられるほどの先生。だが彼は、ある時信長公によって殺され、その生涯に幕を閉じた」

美桜「やはり織田信長が…っっ！！」

松永「貴殿も白児ではあるが、御父上はもっと白かった」

美桜「！！？」

この白い肌に白い髪は、父から譲り受けたものそれを聞いた途端
妖怪だと言われていた美桜は少しばかりか安堵した
少しばかりか微笑み、父と同じものに愛しく感じる
なんだか力も同時にわいてきたのだ

松永「...君を見てると、甘い衝動が沸き起こる」

ぼそりと呟いた松永。松永の胸には、道具とはまた違う感情が芽生えていたのだ
彼は美桜の頬を撫でて自分と目線を合わせる

美桜「松永久秀。私は、帰らなければならない
どうか私を開放してほしい」

松永｢...つくづく思う。親子共々。私は君たちに甘いようだ｣

その会話を最後に、美桜は簪を彼に渡して立ち上がる。松永は美桜を開放し馬を走らせた

＿＿＿＿

風魔小太郎「....」

松永「なぜ行かせたと..？はて、惚れた弱みという物だろう」

美桜が立ち去る後ろ姿を見送ったあと、松永は城内へ入っていった