14話 ページ14
「……え?」
「……私のお父さんはお母さんと結婚した途端、人が変わっちゃったんだって。何か気に入らないことがあれば殴る蹴るを繰り返して。
…まだ小さかった私にも手を上げてたって聞いてる…。」
「そ、んな…。」
Aのお父さんは優しく誠実な人、という肩書きがぴったりな人だった。仕事での役職もなかなか高いものだった。
挨拶をすればにこやかに返してくれるし、出張に行った際には近所の僕達にまでお土産を買ってきてくれるような人。
だから、その話は到底信じられるものではなかった。
「……僕の知ってる君のお父さんは、優しくてまさに理想のお父さんって感じの人だった。家族をすごく大切にしているように見えてたよ。」
「……そっか…そうなんだ…。」
あまりにも話の辻褄が合わないものだから、僕もAも混乱していた。
あまりにも、僕達の話が噛み合わない。
「…私が記憶喪失なんかにならなければ、本当のことが全部わかるのに…。」
Aは悔しそうにレポート用紙を握り締めた。ぐしゃりと用紙が潰れる。
しかしそんなこと、今は気にしていられない。
「…気に病まないで。なりたくてなったわけじゃないんだから。これから僕と取り戻していこう。ね?」
「…ありがとう…っ。」
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白霞(プロフ) - いちごアメさん» 応援のお言葉ありがとうございます。面白いとも言って頂けて嬉しい限りですございます。最後まで閲覧頂きありがとうございました! (2020年8月19日 17時) (レス) id: 7828c1c33e (このIDを非表示/違反報告)
いちごアメ - とっても面白いです!!これからも頑張ってください (2020年8月18日 21時) (レス) id: 77a7bd0b14 (このIDを非表示/違反報告)
白霞(プロフ) - つぶやき星のつぶやき女さん» そんな風に言って頂けて光栄の極みでございます!素晴らしい作品だなんて畏れ多い…!最後まで閲覧頂きありがとうございました! (2020年8月18日 12時) (レス) id: 7828c1c33e (このIDを非表示/違反報告)
つぶやき星のつぶやき女 - す、素晴らしい!泣きました。とても面白い、悲しい?ような気がして面白かったです。(伝わらないような気がする。語彙力無くて、すいません!)とにかく素晴らしい作品でした。お疲れ様でした。 (2020年8月17日 21時) (レス) id: 9c9562d775 (このIDを非表示/違反報告)
白霞(プロフ) - くれーぷさん» そのように言って頂けて嬉しい限りです!こちらこそ閲覧ありがとうございました! (2020年7月28日 19時) (レス) id: 7828c1c33e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:白霞 | 作成日時:2020年7月26日 0時