山田家長女の私。【ヒプノシスマイク】

39話 ページ41

No side



楓「ちょっと、突っ立ってないで今すぐ出てってくんない？」


うずくまるAをシーツ事抱きしめながら立ったまま動かない左馬刻、銃兎に真っ赤な瞳を向けた。


左馬刻「あ？てめぇ誰だよ…なんでお前なんかの言う事」


楓「あーはいはい、そういうのいいから。後で説明してあげるから今は消えろっつってんの。」


左馬刻「うるせぇな、お前いい加減に」


「いいから出ろよ。」


後ろから低い声を向けたのはAの兄である山田一郎だった。


一郎「白河…Aを頼む…。」


何か諦めているような…そんな表情で楓を見た一郎はそう声をかけた。


一郎「てめぇは今すぐここから出ろ。見て分かんねぇか？Aが怖がってんだ。」


睨みを聞かせてそう言えば、左馬刻はAに目を向けた。


シーツの中で身を震わせて、涙で床にシミを作っていた。


いつもの強気な態度なんてどこにもなく。


特に兄の前ではなく姿なんて見せたことは無いくせに…


まるで別人だ。


左馬刻「……」


不満はある。そんな表情だったが左馬刻もこれ以上何も言わずに舌打ちを一つ残すと部屋を出て行く。


連れだった銃兎もまた、それに続いて部屋を出て行った。

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