9話 ページ11
Aside
『………』
一郎「だからな、俺もバイトをするなとは言わないが約束を守れないならこれから行かせる訳にはいかない。お前に嫌な思いをさせたい訳じゃなくてこれは心配して…。」
『……』
テーブルを挟んで向かいに座る一兄は永遠と口を止めることはなく話し続けている。
私はと言うと用意されたご飯をただ無言で口に運んでいた。
一郎「二郎も謝ってた。後で二郎とも話してくれないか?…三郎ともたまには遊んでやってくれ。」
その説教はいつの間にかお願いに変わっていた。
一郎「お前の気持ちも分かってやりたい。もっと家族として話を…」
何かを言いかけた一兄の言葉は突如なり始めた着信音によって続きを聞くことは無かった。
『……もしもし?』
話の途中で少し申し訳無い気持ちは多少あったが、気を使うのも面倒なのでそのまま電話に出る。
〈あ!A久しぶり〜!元気!?〉
『…まぁ…普通。』
着信の名前を見ずに出た事を後悔した。
このうざいテンションと声は飴村乱数のものだった。
〈あのねあのね!今新しい服作ってるの!だからまたぁ、Aにモデルになってもらいたいと思って〜!〉
電話の向こうでその男は楽しそうに喋っていた。
この人は嫌いじゃないけど…いつも自分勝手だし、それに掴みどころの無い性格だし。
どうにも仲良くなれそうにはない。
〈あ!もちろんお給料も出すよ?ついでに今から来てくれるならさっき買ったケーキも!〉
『行く。』
嘘、やっぱり大好き。
なんて、単純な私はケーキ一個に釣られてしまう。
いつもそうだ。どうせ会ったらいらん事まで言ってくるのに。
この人はいつも私が買えないような値段の美味しいケーキを用意するから…
それにこのバイトはめちゃくちゃ給料がいい。
くっそ単純だよな私!!
〈じゃあ僕の事務所に来てね!待ってるよ〜♪〉
自分の甘さにグサグサとやられていると、それだけ言って電話が切れた。
一郎「…電話、誰からだったんだ?」
私がスマホを耳から離すと、それに気づいたのか口を開いた。
『関係ないでしょ?それより話は終わった?私これから出かけるから。』
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琳檎(プロフ) - しれっと更新再開します…。これからもよろしくお願いします…( ._. )" (6月20日 22時) (レス) id: 2253c94c55 (このIDを非表示/違反報告)
琳檎(プロフ) - 嵯峨野 繆謎さん» お久しぶりです。( 'ω')ノほんとに遅くなってすみません、こんなに早くにコメント下さって泣きそうな位嬉しいです!!! (2020年8月22日 0時) (レス) id: 2253c94c55 (このIDを非表示/違反報告)
嵯峨野 繆謎(プロフ) - やっと更新されたあああ!ずっと待ってました!! (2020年8月21日 23時) (レス) id: 58baba6999 (このIDを非表示/違反報告)
琳檎(プロフ) - 叶芽さん» コメントありがとうございます、続きだすの遅くてごめんなさいね(´;ω;`) (2020年8月21日 23時) (レス) id: be3a7aa177 (このIDを非表示/違反報告)
叶芽 - 続きが気になりました!これからも頑張ってください!応援してます! (2020年5月28日 17時) (レス) id: ab515b650e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:琳檎 | 作成日時:2020年4月13日 1時