救出大作戦 ページ27
本家に出禁になって２週間が経ったが今日も今日とて元気に見回り。
「結、滅」
人間を襲おうとする妖や逃げ惑う妖を滅しながら慣れた手つきで闇に包まれた街を駆ける。
手こずる相手もまだ出てこないので高い場所へ結界を使って上がり全体を見下ろすことにする。
高い位置からなら妖を見つけることも楽になるだろう。何も無い空に駆け上がり滞空できるのは結界師ならではの力だと思う。まだ慣れない頃は結界出すの大変だったな…としみじみ思い出す。
すると花開院側の見回り範囲に少し大きな気配がした。だが手を貸しに行くまでもないほどの大きさだ。あちらにも何人も陰陽師がいる。何かあれば連絡が入るはずだし大丈夫だろう。
自分の回らなければいけない範囲を改めて見渡し、人ならざるもの目掛けて滑降した。
それから少し時間が経った。時刻は草木も眠る丑三つ時。
花開院側の気配は未だに消えない。しかも少しづつ大きくなっている気がする。少しおかしい。こっちの方は程々に回ったし滅した。少しくらい離れても大丈夫だろう。杞憂だったら心配しすぎた、それだけで済むから見に行って損は無い。行くか。
胸の奥に渦巻く小さな不安を抱え、気配の元へと急いだ。
「これは…！？」
「結界師か！助かった！！」
地に降り立った私の目の前に立ちはだかったのは巨大なゲル状の妖。
そしてその体の中心に力なく浮かぶ見慣れた緑の着流しに黒のコート姿。
「なぜ花開院が妖に…！？」
「竜二が式神を繰り出す前に取り込まれてしまったのだ」
周りにいた花開院家の陰陽師が答えた。
こいつは人間を取り込んで生命力を奪う妖。それならば早く救出しなければ花開院の命は危ない。
「あいつには何が効きますか」
「…」
「何も攻撃が効かないという事ですか」
「いや、違う…。攻撃はなんでもいいようだ、が」
陰陽師がもったいぶったように話す。何か問題でもあったのか。
「攻撃は、全て中の竜二にも伝わる」
「はっ？ど、どういうこと…」
「1度奴の左腕を焼いた」
その攻撃が通った瞬間、竜二の腕にやけどのような後が出来た。
ギリリと歯を鳴らす陰陽師の話を聞いて思わず唖然とする。
「だが奴に直接触れようものなら、こちらが触れた部分が火傷をする」
こいつはとんでもなく面倒くさいぞ。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 53人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
福永ふたば(山きりん)(プロフ) - 爽藾さん» コメントありがとうございます！お待たせてしてしまい申し訳ありません...纏めている最中なのではありますがリアルが忙しく中々まとめきれていない状況です。ですが待っている方がいると分かったので早めに番外編も作っていきたいと思います。お待ち頂けたら幸いです (2018年10月9日 17時) (
レス) id: b99f0074da (このIDを非表示/違反報告)
福永ふたば(山きりん)(プロフ) - 森田菜々子さん» 初めましてコメントありがとうございます。メイ・チャンとはどちらの作品の方でしょうか...？申し訳ありません...知識が豊富でないものですから... (2018年10月9日 17時) (レス) id: b99f0074da (このIDを非表示/違反報告)
爽藾(プロフ) - 図々しいかとは思いますが、二人がくっついたあとの話がみたいです。煤神家の五代目とは何かしたのかとか… (2018年10月7日 23時) (レス) id: 273b9264d5 (このIDを非表示/違反報告)
森田菜々子 - お願いあるんだけどいいですかな？ぬらりひょんの孫のキャラ×メイ・チャンの恋愛短編集で作って貰いますかな？メイ・チャンはぬら組で長女のラストと長男のグリードと次男のエンヴィーの妹を設定で (2018年9月3日 18時) (レス) id: e772f145ae (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：福永ふたば | 作成日時：2017年12月16日 19時
