夏休み ページ11
うだるような暑さの中私は本家を向けて歩いていた。同級生に会った時怖いので私服だけど。
思わず暑いと独り言をこぼしてしまうほど暑い。溶けるんじゃないかな。
これからお盆になる。おわかりいただけただろうか、言い直させて頂こう、妖がウェイする季節なのである。
京都にいる陰陽師、結界師はひーこら言いながら働かなくてはならない。かの有名な花開院も忙しくなるんじゃないか...な？煤神一派だけ(詳しく言ったら養子の私だけ)働くなんて許さない。私だけ働くなら闇落ちしかねない。
「あ」
「うわまじかよ最悪」
「お前の暴言はログインボーナスかよ」
なんでこうもふとした瞬間に会うのかねぇ...神の陰謀かな？
「じゃーな」
「あ、そうだ」
「んだよ」
「傘のお礼まだしてなかった。コンビニでアイス奢るよ｣
「ダッツな」
「容赦ないのは知ってた」
花開院が出てきたコンビニにもう一度入る。ダッツ...食費削るか(泣)
店内に入るとひんやりとした冷気が頬を撫でる。生き返るという表現がまさにピッタリだ。
ここでゆっくりして行きたいところだけど早く行かないと若の長い長いありがたい言葉(説教)を受けてしまう。さっさと買って出よう。
「これな」
「確かに一つだけとは言ってないけど...」
「なんか文句あんのか？」
「ﾅｲﾃﾞｰｽｽﾐﾏｾﾝﾃﾞｼﾀｰ」
こいつ...ダッツにパピコって...こんなに食べてそんな細いの？私の脂肪分けてあげるよ。最近お腹周りが...な、泣いてねぇし！
さよなら私の冷気たち...と泣く泣く外へ出る。確か花開院家と煤神家は真反対の位置にあるはずだ。ここでお別れといこう。
「んじゃ」
「おい待て」
「ｵｸﾞｴｯ」
首根っこを掴まれ女子として、いや人間として有るまじき声が漏れ出た。私の苦しむ声に奴は悪魔のようにケラケラと笑っている。アイス回収すんぞオラ。
「やるよ」
「まじか」
「要らねぇのか」
「要ります！！食べる！！」
まさかまさかのパピコの半分をいただきました！蓋の部分だけじゃないよ！半分きっちり！！花開院には人間の心があった。
「嬉しいわー」
「もとはお前の金だからな」
「そうだけどさ、貰えるものは嬉しいよ」
「あっそ、じゃーな」
「ばいばい！ありがとね！」
暑くてうだるような道のりは花開院の人の心に助けられ少しひんやり甘い道のりとなり、本家へ向かう足取りも軽くなった。
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福永ふたば(山きりん)(プロフ) - 爽藾さん» コメントありがとうございます！お待たせてしてしまい申し訳ありません...纏めている最中なのではありますがリアルが忙しく中々まとめきれていない状況です。ですが待っている方がいると分かったので早めに番外編も作っていきたいと思います。お待ち頂けたら幸いです (2018年10月9日 17時) (
レス) id: b99f0074da (このIDを非表示/違反報告)
福永ふたば(山きりん)(プロフ) - 森田菜々子さん» 初めましてコメントありがとうございます。メイ・チャンとはどちらの作品の方でしょうか...？申し訳ありません...知識が豊富でないものですから... (2018年10月9日 17時) (レス) id: b99f0074da (このIDを非表示/違反報告)
爽藾(プロフ) - 図々しいかとは思いますが、二人がくっついたあとの話がみたいです。煤神家の五代目とは何かしたのかとか… (2018年10月7日 23時) (レス) id: 273b9264d5 (このIDを非表示/違反報告)
森田菜々子 - お願いあるんだけどいいですかな？ぬらりひょんの孫のキャラ×メイ・チャンの恋愛短編集で作って貰いますかな？メイ・チャンはぬら組で長女のラストと長男のグリードと次男のエンヴィーの妹を設定で (2018年9月3日 18時) (レス) id: e772f145ae (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：福永ふたば | 作成日時：2017年12月16日 19時
