117.不確かな記憶の根元 ページ22
「今日はもう休みなさい」
「……え？」
「Aの働きぶりはよく知っておる…少しは気を休める時も必要であろう」
「…ですが…っ！…は、い…っそうさせていただきます」
口答えなど浅はかな行為に反省した
自分の行いは間違いではないと信じている
けど、里として見れば簡単な事ではない
" 戦争をするのに理由なんて何だっていい "
にゃん太の言葉がやけに残る
「ただし、今回の事は…これじゃぞ？」
「！」
口元に人差し指をかざし、無言で黙秘を命じた
それは絶対の命令
静かに頷き、一礼して部屋を出ようとすれば呼び止められた
「…Aよ、何度も言うようじゃが…昔の過ぎた事をいつまでも気にしなくてもよい」
「…ふ、っ…わかってます」
私に首輪を着けた本人が言うモンだから笑ってしまう
三代目の配慮が最善で合ったと、分かっている
死ぬか、狗になるか…二つに一つなのだから
必死に私の身を守ってくれた三代目には感謝しかない
でも私の記憶の中の三代目と今、目の前にいる三代目の眼は全然別人なのはきっと
ーーー気のせい、？
【早か…っ！…大丈夫だ俺が付いてる】
「…うん、大丈夫…ありがと」
火影邸から出てきた私を外で待っていてくれた にゃん太が直ぐに駆け寄ってきた
肩に乗り、顔を擦り付けるにゃん太の頭を撫で落ち着かせた
全てが丸く収まったのだからもう何も心配しなくていい
良いんだ…
【A】
「ん？」
【ーーこの里に余り深入りするなよ】
「にゃん太…？」
【特に上層部の人間だけは信用するな】
警告するように告げるにゃん太に疑問しか残らなかったけど、にゃん太の言いたいことは分かった
私も何となくだけど、分かってる
木ノ葉上層部…相談役と呼ばれる人たちの存在
一度だけ会った
忌々しい記憶の片隅に写る影
恐怖の根元
【Aの人生だ…好きに生きればいい…だけど、俺はこの里が好きじゃねぇ】
「…うん、知ってる」
【……お前が思ってる以上に西条家の血は煙たがれる存在なんだよ】
【…まぁ、今の話は片隅にでも覚えておけ】
そう、静かに言うにゃん太
にゃん太としては私がこの里に居ることを良くないと思っている
離れれない理由も知っている
だからこそ、優しく傍に居てくれる
私だってこんなモノが無ければ…きっとーー
今も何も変わらず平和とも言える日常を送る里を他人事のように見渡した
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 110人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を含むプレイリスト 
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
棗(プロフ) - 桜@symphonyさん» 作ってる本人が言うのもアレですが、私も胸の奥の方がギュッてなってます！(笑)気持ちが共有できて安心しました。そう言ってもらえると書いて本当に良かった！って気持ちになります。ありがとうございます！更新の方も頑張りますね (2017年7月19日 19時) (
レス) id: 958addaae7 (このIDを非表示/違反報告)
桜@symphony(プロフ) - 読んでいるうちに胸の奥がぎゅうっとなります。 この微妙な距離感好きです笑 更新頑張ってください！ このお話好きなんですっ！！ (2017年7月18日 23時) (レス) id: 7086530ca0 (このIDを非表示/違反報告)
棗(プロフ) - ミナト大好きさん» 作者スペースまで読んでいただき、ありがとうございます！はいっ！これからも頑張っていきたいと思っておりますので、どうぞ宜しくお願いします (2017年7月14日 22時) (レス) id: 958addaae7 (このIDを非表示/違反報告)
ミナト大好き - コメント失礼します初めてイラスト観ましたカッコイイですこれからも最後まで更新頑張って下さい！ (2017年7月13日 23時) (レス) id: 54870f527d (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：棗 | 作成日時：2017年6月25日 1時
