107.それが役目 ページ12
ﾎﾞﾝｯ
「！？ え…、影分身…？本たーーッ！？」
「ーー確かにミナトからしてみればただの無鉄砲で馬鹿の一つ覚えでしかないかも知れないべね」
「でも、そんなやり方が思わぬ一撃を決める為の戦法だったりして？」
ミナトに殴り飛ばされた影分身は消え去り、その勝利を確信した一瞬の油断を私は見逃さずミナトの足下へ術式が組まれた特別なクナイを投げ飛ばした
この瞬間だけをずっと私は待っていた
「ふぅーっ、やっと捕まえれた…どう？身動きを封じられた気分は？」
「いつから…っ！」
「最初の煙玉を使った辺りから…バレないようにするのがやっとだったよ」
身動きが取れなくなったミナトへ近づいた
煙に紛れ変化の術で違和感のない石に化け、スキを待った
普段のミナトに掛かれば簡単にバレてしまう子供騙しな戦法
ただ影分身の私の挑発でその冷静さを失わせ、チャンスをひたすら待ち続けた
不意討ちでも何でも良い
私の残りのチャクラじゃミナトには敵いそうにもない
ミナトの速い動きを止める方法だけを考えた結果がこれしかないってのも情けない話だ…
「Aのヤツ…まさか！？」
「イブキくんは知ってるの？なんで波風くんが動けないのか」
「結界忍術の一つで術式が組まれた忍具を相手の影に突き刺せば動きを止められるんだよ…でも下忍が出来るもんじゃ…」
Aの使った術に焦りと動揺を隠しきれないイブキは困惑するツナギに説明した
下忍が出来るものじゃない
相手の動きを止め、相手が抵抗すればするほどチャクラは削られる
自滅行為に近い術であることには違いはないのだから
【チャクラコントロールは緻密な上に消費量もアホみてぇにかかっちまう…今のAには余りオススメしないヤツだけどな】
「……にゃん太が教えたのかっ？」
【気安く呼ぶな小僧ッ！…Aに必要なモノは全て教えるさ】
【それがオレの役目だ】
Aを見つめるにゃん太の眼差しは優しく、特別な感情を孕ませているような…
試合の止めを刺すべく、動くAの行動に誰もが息を呑んだ
「…挑発させる為とはいえ、酷いこと言ってごめん」
「ーーボクの方こそもっと冷静になるべきだったよ…ごめん」
ミナトの首もとに押し当てたクナイを光らせ、謝った
こうでもしなきゃ今の私はミナトには敵わない
それが身に染みるほど悔しくって
勝ったハズなのに負けてる気しかしない
悔しがるように溜め息を漏らし、ミナトは静かに一言呟いた
「降参します」
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棗(プロフ) - 桜@symphonyさん» 作ってる本人が言うのもアレですが、私も胸の奥の方がギュッてなってます！(笑)気持ちが共有できて安心しました。そう言ってもらえると書いて本当に良かった！って気持ちになります。ありがとうございます！更新の方も頑張りますね (2017年7月19日 19時) (
レス) id: 958addaae7 (このIDを非表示/違反報告)
桜@symphony(プロフ) - 読んでいるうちに胸の奥がぎゅうっとなります。 この微妙な距離感好きです笑 更新頑張ってください！ このお話好きなんですっ！！ (2017年7月18日 23時) (レス) id: 7086530ca0 (このIDを非表示/違反報告)
棗(プロフ) - ミナト大好きさん» 作者スペースまで読んでいただき、ありがとうございます！はいっ！これからも頑張っていきたいと思っておりますので、どうぞ宜しくお願いします (2017年7月14日 22時) (レス) id: 958addaae7 (このIDを非表示/違反報告)
ミナト大好き - コメント失礼します初めてイラスト観ましたカッコイイですこれからも最後まで更新頑張って下さい！ (2017年7月13日 23時) (レス) id: 54870f527d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：棗 | 作成日時：2017年6月25日 1時
