黄色い光 3

108.強さでしか表せれない ページ13

「勝者 " 西条A " ーー！」




「！ ……A、おめでーー」
「！？ ーーっ」
「Aッ！！」


ミナトへの勝利からの安心感なのか
全身から力が抜け落ちるような感覚を覚え、崩れ落ちていく中でミナトの声がやけに遠くに聞こえた気がしたーーー









「……」


朦朧とする意識から目覚めて目を開けば、見知らぬ場所と少し硬い感触
でも落ち着いて悪くはなかーーーっ


「ッ！？試けー【落ち着けぃ！】…んんっ、にゃん太？」
【あぁ、急に倒れたから少し焦ったぞ】


勢い良く起き上がろうとしたら、にゃん太の手で制され
再びベッドに横になった


「ん…試験は？」
【お前は棄権扱いで、優勝は奈良シカクに決まった】
「あれ？…ナツキさんは？」
【知らねぇけど急に棄権した】
「…ふぅん」


結局、中忍試験は棄権扱い
報われない感じがモヤモヤ感を膨らませた


【まぁ優勝者は確定でも内容によってはあの中から中忍に選ばれる" カモ "知れねぇんだろ？】
「……まぐれ感がイヤだ！」
【だったらシカクってヤツも、まぐれだろ？】
「むー！にゃん太の意地悪」


振り返れば自分の取った行動な正しかったのか？なんて考えるまでもなく情けないものだった
強さでしか表せれないんだ
私には…


「…あのやり方が一番合ってたと思う？」
【アレが決勝戦だったら文句はねぇけど…まぁ、これからって所だろ】
「そっ…、か…っ私…ミナトだけには否て…い…たく…な、…った、」
【少し寝ろ…バカ】


ミナトに勝つことだけを考えた戦法
後先考えずにやって、この結果
にゃん太も長い目で見てくれて良かった
瞼が重く痙攣するように何度も瞬きして薄暗くなっていく視界に意識は途絶え、再び眠りに付いたーーー

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