あいつもこいつも ページ41
-一松
急に二美にそう聞かれる。
何でまたこいつも…
頭の中でループしだした
あいつの言葉。
『一松さんって、猫飼ってます?』
『私、猫きらい…』
むすっと顔をしかめながら「だったら何なの」と聞き返した。
「今洗濯してたら、紫色の洋服にたくさん動物の毛がついてたから。紫は一松さんの色でしょ。ちなみにこれ何の動物?」
「…猫」
「え?」
「だから、猫だって言ってるでしょ」
するとだんだんあいつの顔が青ざめていく。そして元々の二美の目付きが更に深くなったかと思うと
「お願いだから、四美に近づかないで」
鋭い視線を俺に向けてこう言い放った。
その時俺の中でぷつんと糸が切れた音がした。
「何なんだよ…」
「え?」
「…何っなんだよあんたら!あいつもあんたも俺を犯罪者のようにさぁ!俺が何したって言うんだよ!俺の存在が?ゴミでクズな俺があいつに近付くのが嫌だっていうならはっきりそう言えよ!なあ!!」
胸に熱いものが込み上げてきて何でか泣きそうになった。
だけど怒りの方がそれを上回り、思っていること全部を大声で二美にぶちまけた。
二美は俺が突然大声で罵倒したもんだから、驚いて声も出せずに目を見開いている。
「俺なんか、消えればいいんだろ。…朝っぱらから胸糞悪…」
「…っあ、ちょ、待って…ちゃんと話を聞いて…!」
二美がまた何か言おうと俺を引き留めたが、もうこれ以上傷つけられるのは御免だし、振り返りもせずにその場を去った。
32人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ミミ - Mさん» お下げ髪…耳から下の2つ結びですね。分かりました、わざわざご説明ありがとうございます! (2017年1月28日 19時) (レス) id: 794681af9d (このIDを非表示/違反報告)
M(プロフ) - ミミさん» 私の頭の中ではお下げ髪でした。ミミさんのコメントで改めて調べてみると、呼び名が違うだけで同じものだと思っていたのが違うものなんだと初めて知りました。私の知識不足です…疑問を抱かせてしまってすみません。後日改めて直します。 (2017年1月27日 21時) (レス) id: ac422af371 (このIDを非表示/違反報告)
ミミ - すみません、四女さんの髪型なのですが、2つ結びというと一般的にはお下げ髪だと思いますが、本文中ではツインテールとも書かれていました。細かいとは思いますが、どちらの髪型なんでしょうか? (2017年1月24日 18時) (レス) id: 794681af9d (このIDを非表示/違反報告)
M(プロフ) - ノンノンさん» コメントありがとうございます!がんばります! (2016年12月1日 11時) (レス) id: 060cf696e2 (このIDを非表示/違反報告)
ノンノン - 書くの頑張ってください! (2016年11月27日 10時) (レス) id: d309a533cf (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:M | 作成日時:2016年7月31日 9時