上手く言えない ページ40
-一松
梅野姉妹が俺らん家で暮らし始めて何日か経った。
最初はよく知らない奴と
一緒に暮らすなんて本気で嫌だったし
それに
あいつにまた避けられたら、と思うと怖かった。
未だにあいつは俺に近づいてこない。
起きたばかりで頭を掻きながら階段を降りる。すると、洗面所から山のような洗濯物が入った籠を持って出てきたあいつと鉢合わせた。
俺は咄嗟に階段の影に隠れようとしたが、時すでに遅し。あいつと目が合ってしまった。
「あっ…一松さん…」
「なに」
「え、と…おはよう、ございます…」
「……はよ」
駄目だ。
普通に挨拶ぐらいしたらいいのに、口からはぶっきらぼうな言葉しか出てこない。
「……」
「……」
沈黙が続く。
逃げ出したいくらいこの空気が嫌だ。
「…」
「………ぁ、あの…」
「四美ー！」
あいつが何か言おうと口を開いた瞬間、庭の窓の方からあいつの名前を呼ぶ声がした。
「……それじゃ」
「えっ…あ…」
丁度良いやと思い、そのままその場から立ち去った。
どうせまたあいつは俺を避けるようなことを言うんだろう。
『私、猫嫌いなんです』
俺が嫌いです、何て言ってるようなもんじゃんか。
思い出して腹がたってきた。
朝飯でも食おうと台所へ向かう。
その時「一松、さん？」とあいつとは違う声のトーンで俺の名前を呼ばれた。
振り返るとそこには…そこには…
誰だっけ
「…誰ですか」
「あ、合ってた。私は二美、次女の方。もう何日か経ってるんだから顔ぐらい覚えてよね」
「あんたも今まぐれで名前言ったでしょ」
「だってしょうがないでしょ」
私達とは違って髪型が一緒なんだから、と二美が文句を言う。
確かに今はパジャマだから色での区別も出来ない。
「で、何の用」
「一松さんって、何か動物飼ってる？」
「…は？」
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ミミ - Mさん» お下げ髪…耳から下の2つ結びですね。分かりました、わざわざご説明ありがとうございます！ (2017年1月28日 19時) (
レス) id: 794681af9d (このIDを非表示/違反報告)
M(プロフ) - ミミさん» 私の頭の中ではお下げ髪でした。ミミさんのコメントで改めて調べてみると、呼び名が違うだけで同じものだと思っていたのが違うものなんだと初めて知りました。私の知識不足です…疑問を抱かせてしまってすみません。後日改めて直します。 (2017年1月27日 21時) (レス) id: ac422af371 (このIDを非表示/違反報告)
ミミ - すみません、四女さんの髪型なのですが、2つ結びというと一般的にはお下げ髪だと思いますが、本文中ではツインテールとも書かれていました。細かいとは思いますが、どちらの髪型なんでしょうか？ (2017年1月24日 18時) (レス) id: 794681af9d (このIDを非表示/違反報告)
M(プロフ) - ノンノンさん» コメントありがとうございます！がんばります！ (2016年12月1日 11時) (レス) id: 060cf696e2 (このIDを非表示/違反報告)
ノンノン - 書くの頑張ってください！ (2016年11月27日 10時) (レス) id: d309a533cf (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：M | 作成日時：2016年7月31日 9時
