あいつなんか ページ31
-三美
「ビックリしたぁ…どうしたの三美姉ちゃん。変な声出して」
「な、何でもないよ!」
大きな声を出してしまったから隣にいた四美を驚かせてしまった。
「さては三美姉ちゃん、チョロ松さんのこと考えてたでしょ?そうでしょ?」
「ち、違うから!六美こそ何よ急に。あいつが何なの?」
「なーんだ。六美はただ、三美姉ちゃんとチョロ松さん、お似合いだなぁと思って」
「はぁ?!」
思いがけない六美の言葉に顔がかぁっと熱くなる。
「三美姉ちゃん…顔が真っ赤」
「四美もそう思わない?六美はいいと思うんだけどなー」
「勝手に話を進めないで!そもそもこれから一緒に生活していくんだから。そんな感情、邪魔なだけ」
熱くなった顔を冷まそうと、自分に言い聞かせるように呟く。
六美はというと、つまんないといった表情で口を尖らせている。
「そういえば、一美姉ちゃんと二美姉ちゃんは?」
四美がキョロキョロと辺りを見回すと丁度襖が開いて二美姉ちゃんが入ってきた。
「あ、二美姉ちゃん。いま居ないなぁって思ってたんだよ」
「ごめんね四美、ちょっとトイレ行ってた。こら、六美はまたスマホ弄って」
二美姉ちゃんは六美の頭をこつ、と叩きながら六美の隣に腰をおろす。
二美姉ちゃんは、まるでお母さんの様な存在。目付きがちょっと悪いから人からは怖い人だと思われがちだけど、私達の事をいつも見てくれて支えてくれる。誰よりも周りの人を大事に想ってくれる。
「一美姉ちゃんは?」
「あぁ…いつものとこ」
「…毎日偉いね。一美姉ちゃん」
四美が窓の外を眺めながら呟く。
「一美姉ちゃん、早く元気になれるといいよね。六美、また一美姉ちゃんと一緒に遊びたい」
「…それは時が解決してくれるよ。その時までは、私たちで一美姉ちゃん守ろう」
二美姉ちゃんの言葉に、あたし達は静かに頷いた。
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ミミ - Mさん» お下げ髪…耳から下の2つ結びですね。分かりました、わざわざご説明ありがとうございます! (2017年1月28日 19時) (レス) id: 794681af9d (このIDを非表示/違反報告)
M(プロフ) - ミミさん» 私の頭の中ではお下げ髪でした。ミミさんのコメントで改めて調べてみると、呼び名が違うだけで同じものだと思っていたのが違うものなんだと初めて知りました。私の知識不足です…疑問を抱かせてしまってすみません。後日改めて直します。 (2017年1月27日 21時) (レス) id: ac422af371 (このIDを非表示/違反報告)
ミミ - すみません、四女さんの髪型なのですが、2つ結びというと一般的にはお下げ髪だと思いますが、本文中ではツインテールとも書かれていました。細かいとは思いますが、どちらの髪型なんでしょうか? (2017年1月24日 18時) (レス) id: 794681af9d (このIDを非表示/違反報告)
M(プロフ) - ノンノンさん» コメントありがとうございます!がんばります! (2016年12月1日 11時) (レス) id: 060cf696e2 (このIDを非表示/違反報告)
ノンノン - 書くの頑張ってください! (2016年11月27日 10時) (レス) id: d309a533cf (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:M | 作成日時:2016年7月31日 9時