12人分 ページ26
-チョロ松
「…ョロ松、チョロ松」
一人で悶々と考えていたらカラ松兄さんに呼ばれていた。
「あ、ごめん。何カラ松兄さん」
「今日の夕飯、どうする」
「そうだね、12人分だからいつもの2倍かぁ」
母さんがいないときの夕飯は大体僕とカラ松兄さんで作っている。
今日からは梅野さん達も加わるから12人分。
買い出し行ったら夕方過ぎるからすぐ出来るやつ…なおかつ共同生活の1日目だから一応おもてなし感が出るやつ…
「…すき焼きにする?」
「すき焼きか、いいな。肉は大量に入れよう!」
「いや男だらけの鍋じゃないんだから!梅野さん達もいるんだからそこは考えてカラ松兄さん」
「そうか…じゃあ白滝多めだな」
「何で白滝?!」
「女の子はカロリーを気にするんだろう?」
いやいやそうだけど…
白滝が大量のすき焼きなんて食う気失せるわ…!
「…あの」
背後から静かな声が聞こえて振り向くと、五美ちゃんがいた。
「夕御飯作るんですよね。私もお手伝いさせてもらえますか?」
「えっいや別に気使わなくて大丈夫だよ」
一応お客さんだし…と断る。
だけど五美ちゃんは納得いかないようで
「いえ、今日から置いてもらう以上何もしないわけには…お父さんにも言われましたし」
「そこまで言うなら…いいよね?カラ松兄さん」
「ああ、ノープロブレムだ」
そう言う五美ちゃんの気持ちをこれ以上受け取らないわけにもいかず、カラ松兄さんにも聞いてOKをもらう。
「ありがとうございます。三美姉ちゃんもやるよね?」
「えっ」
三美ちゃんも、というのを聞いて思わず声が漏れる。
「…なに、あたしも一緒じゃ嫌なの?」
「や…そういうわけじゃ…」
鋭い目付きで睨む三美ちゃんにおどおどしてしまう。
なんか情けないな僕…
「いつもお家では三美姉ちゃんとご飯の担当してるんです」
「そうなんだ…」
「あんたが嫌なら別にいいけどあたし」
「いやいや!宜しくお願いします…」
こうして4人で夕飯を作ることになった。
「えっと、それじゃあ買い出し…」
「はいはーい!僕行きまっす!!」
「え、十四松…買い出し行けるの?」
「僕行けるよー!」
「じゃあ十四松お願い…」
「あいあい!じゃあ行くよ五美ちゃん!!」
「えっあの…きゃっ」
僕が言い終わる前に十四松はまるで一緒に行くのが決まってたみたいに五美ちゃんの手首を掴んで家から飛び出して行ってしまった。
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ミミ - Mさん» お下げ髪…耳から下の2つ結びですね。分かりました、わざわざご説明ありがとうございます! (2017年1月28日 19時) (レス) id: 794681af9d (このIDを非表示/違反報告)
M(プロフ) - ミミさん» 私の頭の中ではお下げ髪でした。ミミさんのコメントで改めて調べてみると、呼び名が違うだけで同じものだと思っていたのが違うものなんだと初めて知りました。私の知識不足です…疑問を抱かせてしまってすみません。後日改めて直します。 (2017年1月27日 21時) (レス) id: ac422af371 (このIDを非表示/違反報告)
ミミ - すみません、四女さんの髪型なのですが、2つ結びというと一般的にはお下げ髪だと思いますが、本文中ではツインテールとも書かれていました。細かいとは思いますが、どちらの髪型なんでしょうか? (2017年1月24日 18時) (レス) id: 794681af9d (このIDを非表示/違反報告)
M(プロフ) - ノンノンさん» コメントありがとうございます!がんばります! (2016年12月1日 11時) (レス) id: 060cf696e2 (このIDを非表示/違反報告)
ノンノン - 書くの頑張ってください! (2016年11月27日 10時) (レス) id: d309a533cf (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:M | 作成日時:2016年7月31日 9時