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私は息の荒かった子供の息が落ち着くのを見て、上座へと戻る
珱の顔はやはりどこか憂いを帯びている
だが仕方もない
これから嫌なものを見なければならないのだから



私たちは神の子でもない
ただの人の子だ、少し異能を持っただけの
なぜそれを、皆分からぬのだろうか




「ありがとうぞんじます、ありがとうぞんじます!
なにとぞ、お納め下さい…」

「ヒヒヒ、ヒヒヒ…」




あぁ、父の金への執着した、なんと穢らしい顔か
私たち姉妹は、今まで何度この顔を見てきたことか

その度に珱はこうして憂い、私は嫌悪に駆られるのだ




「姉様…」

「何も言うな。
…変えたのは我らか父上が変わられてしまったのか。
誰にもわからんのだからな」




分かるのは父も我らも、あの日を境に変わってしまったことだけだ




その時だった




「生き胆よこせぇ〜〜〜」

「「「!!」」」




妖怪が現れ、珱の元へと向かっていく
私は咄嗟に懐に入れていた短刀を引き抜き珱の前に出た




「ごめん」

「キャ…」

「あっ」




私たちの背を押したのは、花開院よりここへ派遣されている是光
是光は刀で妖怪を容赦なく斬り捨てた




「ぅおおお珱姫、A姫〜〜!!
どこかケガはないかい〜〜!?お前たちはワシの宝…
お前たちが死んだらワシは………!!」




バタバタと駆け寄ってきた父は私たちにしがみついてそんなことを言ったかと思えば、勢いよく振り返り是光を指さす




「高い金を払っているのにこんなものを屋敷に入れては困る!!花開院殿!!」

「生き胆…生き胆…」

「………分かりました………
さらに花開院の手練を呼び結界を強くはらせましょう」




父は、我らの"力"がそんなにも好きなのか
それに結局は金だ

呆れてモノも言えぬ私を他所に珱は息絶えた妖怪に手を合わせていた
それに思わずクスリと笑みを浮かべた
本当に心の優しい妹だ




「どれ、ならば私も妖怪に手でも合わせようか」

「姉様…」

「"来世でもまた妖怪として現れたならば次こそは我が手で殺してくれるわ"ってね」

「姉様!」

「冗談だ」




ハハハ、と笑えば珱は憂いた様子からうって変わり今度はどこか怒った様子を見せていた
手を合わせ終わるとそんな様子の珱にどうしたのかと聞く




「…先程、なぜ私の前に出られたのですか!」

「………お前を守る為だろう?」




何を当たり前なことを聞くのだ、と言いたげなAに珱姫は更に怒りをあらわにする



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+++++→←護身刀



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カリディア(プロフ) - 最高です!続き楽しみに待ってます!頑張ってください! (2019年7月25日 21時) (レス) id: dddfdc4b55 (このIDを非表示/違反報告)
ポケモンラブ(プロフ) - 応援してます! (2019年7月17日 22時) (レス) id: 90acc880a8 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - ポケモンラブさん» コメントありがとうございます!更新頑張ります! (2019年7月17日 21時) (レス) id: 9e3e8858ee (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - ゆりさんさん» コメントありがとうございます!これからもよろしくお願いしますm(*_ _)m (2019年7月17日 21時) (レス) id: 9e3e8858ee (このIDを非表示/違反報告)
ポケモンラブ(プロフ) - 続き気になりすぎてやばいから更新お願いします! (2019年7月17日 16時) (レス) id: 90acc880a8 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名: | 作成日時:2019年7月6日 17時

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