検索窓
今日:39 hit、昨日:30 hit、合計:361,849 hit

実は無知 ページ42

.




あれから、なぜか花開院の本家で宴をしたあと
奴良組の遠出の出入りに必要不可欠らしい『宝船』という船の妖怪に乗り空の旅を体験していた

京よりついてきたのは私や珱はもちろんのこと、あの時ともにいた幼き姫 名を苔姫もまた奴良組について来ていた
よく分からないが、一ッ目入道とやらに懐いたらしい
中々変わった姫だと思う




「……………空の旅、か」




そういえば前世の世界では空島や魚人島があったものだ
あんなもの、この世界じゃ到底考えられないもの
……まぁグランドライン自体がなんでもアリな海域だから文句は言えないのだが
しかし……




「鍛え直さねばならんな」




鍛えていたとはいえ、今回何も出来なかった
妖怪という存在を些か舐めていたのかもしれない
けれど今回、妖怪の恐ろしさはわかった
ならばあとは上を目指すだけ




「鍛えるって、何を鍛えるんだい?」

「!」




聞き慣れた声がすぐ背後からしてビクリと身体を震わせ振り返ろうとする前に後ろから抱きすくめられた

ふわりと香るのはタバコの香り
さっきまでどこかで吸っていたのだろう




「……何か用でもあるのか」

「用がなけりゃ会っちゃいけねぇのかい?
あんたはワシの女じゃろう。
自分の女に触れて何がわりいってんだい」




しれっとそんな言葉を吐けるのが不思議なものだ
その度羞恥に駆られるこちらの身にもなれ




「で、鍛えるって何をだ?」

「私自身を」

「…………なぜ?」

「なぜって、戦うためだろう」

「……いやいやいや、なんだってあんたが戦う?」

「そういう場面が来てもおかしくないだろうが。
今回だって本当なら戦闘に交じってやりたい所だったが、そうもいかなかったからな」




覇王色の覇気を使えば珱たちにどれほどの負荷がかかっていたことか
使いそうになったが、あの時ぬらりひょんが来てくれてよかったと今では思っている
守るべき人が意識を失っていると守りづらいのはよく知っている
だからこそ、本当使わなくてよかった




「あんたは戦わんでいい。ワシが守る」

「己の身くらい己が守る。お前など不要だ」

「ひっでぇな。ワシの真心返せ」

「真心などないだろうが」

「もっとひでぇな、おい」




ギュッと抱きしめてくる力が少しだけ強くなった




「女のあんたが、わざわざ戦う理由などないじゃろう」

「……私は、お前の女なのだろう」

「ん?」




トン、とぬらりひょんの胸に頭くっつけるとAはそう言った




.

+++++→←+++++



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.8/10 (142 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
381人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

カリディア(プロフ) - 最高です!続き楽しみに待ってます!頑張ってください! (2019年7月25日 21時) (レス) id: dddfdc4b55 (このIDを非表示/違反報告)
ポケモンラブ(プロフ) - 応援してます! (2019年7月17日 22時) (レス) id: 90acc880a8 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - ポケモンラブさん» コメントありがとうございます!更新頑張ります! (2019年7月17日 21時) (レス) id: 9e3e8858ee (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - ゆりさんさん» コメントありがとうございます!これからもよろしくお願いしますm(*_ _)m (2019年7月17日 21時) (レス) id: 9e3e8858ee (このIDを非表示/違反報告)
ポケモンラブ(プロフ) - 続き気になりすぎてやばいから更新お願いします! (2019年7月17日 16時) (レス) id: 90acc880a8 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名: | 作成日時:2019年7月6日 17時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。