特別 ページ9
【Aside】
「・・・おはよう。」
何の躊躇いもなく扉を開け、誰に言うわけでもなくそう呟いた。
和やかに談笑していたクラスメイトの視線が、私に集中する。
じっと見つめてくる者、こそこそ話し始める者、様々だが____
私に直接話しかけてくる人はいなかった。
「おお、A!おはよう!」
ただ1人、守沢千秋を除いては。
「千秋、今日も元気そうで何よりだわ。」
私がそう答えると、「Aも相変わらずのテンションだな!」などと言って、豪快に笑った。
私はこの男がよく分からない。
同じクラスになってから、真っ先に話しかけてきたのは彼だ。
ケーキである私に近づきたいのだろう。
最初はそう思っていた。
でも、彼は私に手を出す事はなかった。
それどころか、ケーキやフォークといった単語を出す事もなかった。
まるで何もないかのように__私に接してくる。
もし彼が必死に我慢してるとしたら・・・?
そう考えると、たまらなくなる。
「・・・ふふ」
自然と口元が緩む。躊躇なく襲ってくるのも悪くないけれど、理性と必死に戦うのもなかなかいいものだと思う。
「・・・あんたさぁ、何笑ってんの?怖いんだけど。」
フッと頭上に影が出来る。
顔をあげると、不機嫌そうなアイスブルーが私を見つめていた。
ああ、そういやこの人隣の席だった。
「別に。何でもないわ。」
笑ってるのを見られたのは、あんまりよろしい事ではなかった。
私が感情を顕にするのは、特定の人達だけだから。私の期待に応えてくれる人達だけ。
貴方にはまだ見せてあげない。
ねぇ、泉?
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ユミカ(プロフ) - はる。さん» コメントありがとうございます!まだまだ少ないですよね〜泣・・・もっと増えてほしいですね! (2017年7月4日 20時) (レス) id: adf92d0f83 (このIDを非表示/違反報告)
はる。(プロフ) - ケーキバース…。なかなか少ないので嬉しいです! (2017年7月4日 15時) (レス) id: 905d58e753 (このIDを非表示/違反報告)
ユミカ(プロフ) - ゆーのんさん» コメントありがとうございます!かっこいい主人公を意識して書いているので嬉しいです♪更新頑張ります・・・! (2017年3月7日 21時) (レス) id: 424560f613 (このIDを非表示/違反報告)
ゆーのん(プロフ) - 主人公かっこいいですっ!このあと、どのような展開になるのか楽しみです!頑張って下さい! (2017年3月7日 21時) (レス) id: 50705d236f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ユミカ | 作成日時:2017年3月5日 19時