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「えっ、嘘?!」
何度も何度も電源をつけようとするが、画面は暗いまま。
…嘘だ。
充電は まだあったはずなのに。
どうしてつかないの?
「…どうしよう…これじゃあ帰れないわ…」
その場に ヘタリ、と座り込み空を見上げる。
今日は綺麗な満月だ。
思わず目を奪われる。
大きくて、青くて______
不気味だ。
何だか変なことでも起きそうな
…そんな感じ。
「(風邪をひかないうちに帰らなくちゃ)」
そう思い立ち上がると
「…ニャー」
「あら?」
下から鳴き声が聞こえてきた。
見てみるとそこには、赤っぽい茶色っぽい毛並みの猫がいた。
目は緑色で真ん丸だ。
首に首輪が付いていて、飼い猫だと分かる。
毛並みも上品だ。
きっと大切に育てられてきたのだろう。
しゃんがで頭を撫でると、嬉しそうに目を細めた。
まるで三日月みたいだ。
「君、どこから来たの?お家は?」
寂しさを紛らわすために猫に話しかけてみる。
勿論 猫が話すはずもなく、ただゴロゴロと喉を鳴らすだけだ。
「可愛いね、君。お名前は なんて言うの?」
頭を撫で続けていると突然 猫が驚いたように遠くを見た。
怯えているようにも見える。
「どうしたの?」
猫の視線の先に目をやると__
「…あら?」
大きな門が見えた。
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作者名:中谷れれれ | 作成日時:2018年5月17日 19時