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夏休み、学校に生徒はほとんどおらず、いつもより堂々とアイドル科と普通科の隔たりたるフェンスの隙間をくぐる




もうすっかり来慣れたアイドル科の廊下を走る
教師に見つかりそうになれば身を隠す
また走って、階段を上る
人通りの少ない三階の廊下の突き当たり
白い扉の前に立ち、辺りを見回す

誰もいない




“ノックは3回だ”




昨日言われた通り3回のノック




開いた扉からのぞくのは抜けるように白く、しかし力強い手
その手を握ると生徒会室に引きずり込まれる





『おかえりなさい』

「ただいま」




その美麗な顔に微笑みをうかべる『魔王』様は両手を広げてこちらを見つめる
飛び込め、ということらしい

後ろ手に生徒会室のドアを閉め、遠慮なくそこに収まる


背中に回る手
私だけを映す瞳


零のすべてがこの1ヶ月、焦がれ続けたものだった







『痩せたんじゃない』

「向こうでは昼中心の生活だったからな。合わないったらありゃしね〜」

『ふふ』

「んだよ不気味」

『本物の零がここにいる』

「なに、寂しかったんだろ」

『全然寂しくなんかなかったわ、だって』






宗さんやなずなさん、夏目に日々樹に深海、それにみかくんだっていたんだから



『寂しかった』の一言さえ言えたらよかったのに、



意に反して口から出てきたのは最近できた友人たちの名前





すっと細められた赤い目




「ふぅん、Aは俺よりそっちの方が良かったってわけだ?」




射抜かれるようにそう問われれば、心に蓋をすることも忘れてしまう





『寂しかった。ずっと零のこと待ってた』





よくできました、
耳元で囁かれたらもう抵抗できない






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作品ジャンル:アニメ
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ゆゆちゃん(プロフ) - 夜桜 奏さん» こちらこそ読んでくださりありがとうございます!更新早いのがだけが取り柄なので頑張りますっ笑 (2019年9月13日 22時) (レス) id: 7a2e201cbb (このIDを非表示/違反報告)
夜桜 奏 - 健気すぎる夢主ちゃんに涙です…頻繁に更新して下さりありがとうございます!いつも楽しみにしています (2019年9月13日 21時) (レス) id: dd2c6bf5e1 (このIDを非表示/違反報告)
ゆゆちゃん(プロフ) - 月見団子さん» ほんとですね、申し訳ありません!非公開外しておきました。。気をつけます! (2019年9月13日 17時) (レス) id: 7a2e201cbb (このIDを非表示/違反報告)
月見団子 - いつも楽しく読ませていただいております。えーと…『75話』が抜けてません? (2019年9月13日 17時) (携帯から) (レス) id: d5ccda77cf (このIDを非表示/違反報告)
ゆゆちゃん(プロフ) - うみさん» そう言って貰えて嬉しいです!こちらこそありがとうございます! (2019年9月13日 2時) (レス) id: 7a2e201cbb (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ゆゆちゃん | 作成日時:2019年9月11日 1時

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