Valkyrieの強火オタクが魔王様と距離ができる話

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｢なんや今日のAちゃんはえらいご機嫌やな〜｣



夏休み中でも活動している手芸部で、衣装に使う布を両手にいっぱい持って、にこやかにみかくんが話しかけてくる







手芸部に通うようになってから軽く1ヶ月は経っただろうか。

最初はみか様と同じ空間にいるのは無理、話すなんてもっと無理、の状態。みかくんも部室に入りびたる見知らぬ普通科の女子を警戒していたようだった。

が、部室に置いてあるぬいぐるみにを眺めていると、｢それ、俺が作ってん｣と話しかけてきて、そこから趣味が合うことがわかり、今に至る


ちなみに、呼び方については


｢年下なんやから様なんてつけんとタメ語で喋って欲しいわぁ…？｣


という可愛らしいお願いに負けてしまった









『ふふ、そうみえる？』


｢おん、めっちゃ幸せそうやわ〜｣





零の一時帰国が明日に迫った今、どうやって顔を緩めずにいられようか



『ふふふ』


｢ええっAちゃん笑い始めたで…風邪でも引いとるんとちゃうか｣



すすす、と私から離れていくみかくんに宗さんが呆れたように声をかける



｢影片、その小娘の惚気に付き合うほど暇なら、衣装のひとつでも仕立てたらどうなのかね？｣


｢んああっ、お師さん！そうやね〜｣



ぱたぱたと宗さんの元へ駆けていくみかくん
それをにこにこと微笑ましげに見つめるなずなさん





2ヶ月前の私が見たら失神しそうだが、
この光景にも、慣れてきたところだった








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