第222話:一線 ページ32
「いい。
人に聞かれる心配は無いから、我慢しないで声も出してくれ。その方が発散できるはずだ。
大丈夫、ここに居るのは僕とAだけだから」
赤司さんの言葉に素直に従い、噛み締めていた奥歯を開いて大きく息をする。
「ンッ……っふ、う……っ」
彼の右手が滑らかに胸からすべり降り、するすると撫ぜながら脇腹を擽るように落ちていく。
胸から腰まで付けられた赤い腫れを、一つ一つ丁寧に口付けされる。
太腿程ではないけど、胴の部分も痕跡は酷いもので、斑に腹部を染めていた。
柔らかい感触が音を立てて肌に吸い付き、時折熱い舌が悪戯に這わされて、予想できない刺激にビクビクと反応してしまう。
「あっ、やッ……」
「やだ?」
「ッ……や、…じゃない…」
私の本気の「嫌」ではないとわかっているくせに、赤司さんがわざとらしく確認してくる。
そもそも「嫌だと言ったら手を止める」なんてルールも、私にこう言わせる為の仕掛けだったんじゃないか。
そう勘ぐってしまうほど、私は完全に赤司さんの掌でずっと転がされている。
そして、その状況が一番、きもちいい。
……なんて。
そんなことまできっと、この人にはお見通しだろう。
*
「そろそろ、全部か?」
赤司さんのその何気無い問いかけに、私は次を答えるか一瞬、躊躇う。
当然その躊躇いを彼は見逃さないので、まだ続きがあること、私が言い難い内容であることも即座に理解したはずだ。
そしてまたこれもすぐに思い出しただろう。
赤司さん達が体育館に駆け込んで来た時、私の下着がずれていたこと。
ホックを外したのが眞鍋くんの手によるものだったことも、彼の頭の回転の速さならもう分かってる。
「赤司さん達が来る直前に、その……後ろの留め具を、外されて。
…直接、触られました。
それで最後です。」
「…どこまで?」
「胸だけです、触れられただけですけど…」
「………」
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Mae(プロフ) - ?? ??さん» わー!嬉しいコメントありがとうございます!遅くなりましたが続編もぜひお楽しみ頂けたらと思います!^^ (2022年4月19日 19時) (レス) id: d276010101 (このIDを非表示/違反報告)
?? ??(プロフ) - つい一気読みしてしまいました、、くっそ面白かったです続き待ってます!!! (2022年4月9日 21時) (レス) @page47 id: faab22f8d0 (このIDを非表示/違反報告)
Mae(プロフ) - ルカさん» お待たせしてすみません!汗楽しみに待っていて頂けて本当に嬉しいです!!(*ˊ˘ˋ*) (2022年1月20日 3時) (レス) id: d276010101 (このIDを非表示/違反報告)
ルカ(プロフ) - やはりMaeさんは神だ…!更新ありがとうございます! (2022年1月16日 21時) (レス) @page46 id: e645865379 (このIDを非表示/違反報告)
Mae(プロフ) - ルカさん» 神!?笑コメントありがとうございます!書き溜めておりますので暫しお待ちを!かっこいい赤司くん書けるよう頑張ります(^^) (2022年1月8日 16時) (レス) id: d276010101 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:Mae | 作成日時:2021年3月17日 2時