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子どもの泣き声が聞こえた。お母さん、お母さん、と泣き叫ぶような声。火を纏う建物だったものたちを避けながらその声の主を探す。
｢っう、ひっく、お母さん、っ、｣
見つけたその先にはフラフラと歩き回る少年の姿が。しゃくり上げながら母を探すその声が痛々しくて、眉をひそめながら声を掛ける。
｢お母さんを探しているの？｣
｢っう、ひっく、お母さん、いないの｣
｢はぐれちゃったのね。よしよし、もう大丈夫よ。お姉さんと一緒に探しにいこうか｣
目から大粒の涙を流しながらうん、と頷いてくれたので、まだ小さいその体を抱き上げて気づかれないように火傷やかすり傷を癒していく。
少年にたびたび声をかけながら焼けた街を練り歩く。すると少年はあっと声を上げて木材の下敷きになった女の人を指さして叫んだ。
｢お母さん！！！｣
｢…！あの人ね…！よし、ちょっと待っててね｣
急いで駆け寄るとその人は意識こそないものの、なんとか息をしていた。しかしここで見つけられなければ人知れず息を絶っていたことだろう。急いで木材を魔法で跳ね除け傷口に手をかざす。
一番ひどいのは、このお腹の部分ね…血が止まらないで流れ出てる…目を閉じて手のひらに魔力を込める。
｢…………っ、｣
もともと魔力が多い方でないため、ここまで大きい怪我を癒すとなるとなかなかに大変だ。
しかしなんとか傷を塞ぐことが出来た。額の汗を拭って少年に微笑みかける。
｢もう大丈夫よ。お母さんもじきに目を覚ますと思うわ｣
｢ほんと?!お姉ちゃん、ありがとう！｣
やっと泣き止んだ少年の頬を撫でて薄く加護の膜を貼らせる。最近覚えた魔法のひとつだ。私の魔力ではそこまで長くは持たないし完全に攻撃を防ぐことは出来ないが、気休め程度にはなるだろう。
少年と母親を比較的危なくない所に避難させて、もうはぐれないようにね、と言葉を残して去る。
そして他にも傷ついた人はいないか、探しに燃え盛る街の中を歩き探した。
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遊ちゃん_SKZ(プロフ) - 続きが気になる....！！ (2023年1月24日 6時) (
レス) @page6 id: fe8355afed (このIDを非表示/違反報告)
甘味(プロフ) - マヤさん» ありがとうございます！！ぼちぼちまた更新再開しようと思ってるので頑張りますね…(^^*) (2019年8月16日 23時) (レス) id: 5f80f90127 (このIDを非表示/違反報告)
マヤ(プロフ) - とても面白かったです！更新楽しみにしてますね(o^^o) (2019年4月21日 8時) (レス) id: d7a9b15609 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：甘味 | 作成日時：2018年12月9日 19時
