【ハウル】この想いは美しくない【切】 ページ1
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ぱちり。ふと目が覚めて欠伸をひとつ漏らす。
あれ…私ったらいつの間にか寝ちゃってたんだ…。
普段から時間がある時を見つけては魔術の本と睨めっこして勉強をするようにしているのだが、どうやらその最中に眠ってしまったようだ。机に突っ伏したまま寝ていたので、体の凝りが酷い。筋肉をほぐすように肩を揉んだり背伸びをしたりしてみる。
それにしてもお腹すいたな…夕飯も逃しちゃったもんな…もう夜中になっちゃってるし。
何か食べるものは無いかと自室を抜け下の階へ向かう。
あれ…こんな時間なのに話し声が…。ハウルとカルシファーかな？もしかしてハウル、また戦場に行ってたんじゃ…
前に鳥の姿でいるハウルに声をかけた時、凄い剣幕で怒られたことがあるため、そろりと壁に体を這わせながら中の様子を伺う。
｢風呂にお湯を送ってくれ｣
するとハウルの声とカルシファーの｢え、またかよ｣と言う面倒くさそうな声が聞こえた。
あれ、人の姿に戻ってたや。でもなんだか…服はボロボロだしかすり傷もたくさん見える。ここからじゃよく見えないな…酷い怪我してないといいけど…
と、こっそりとハウルの身を案じながら見ていると、彼はカーテンを開いてぐっすりと眠るソフィーをじっと見つめていた。
｢…………｣
何を思ってるんだろう…。
やはり薄暗くてよくは見えなかったが、何となく雰囲気でわかるような気がする。最近…思うの。私はハウルがこうして城を作っていろんなものから逃げ始めた最初の頃からここに居たけど、なんだかずっと…彼を遠くに感じていた。
でも…ソフィーと彼は違って、上手く言えないけど…惹かれ合う運命にあるような2人に見えて…ますます遠く感じて。
胸がギュッと締め付けられる。嫌だな。勝手に恋して勝手に傷ついて、ソフィーはとっても優しい人なのに、ハウルと彼女が惹かれ合う姿を想像すると悲しくなって、複雑な気持ちになる。素直に2人を応援できない自分が嫌になる。
コツコツという靴音が近づいてくるのを感じてハッとなり急いで自室に帰る。こんな顔、ハウルには見せられない。
こんな、醜い想いもハウルには見せられない。
彼は美しいものを愛しているから。
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遊ちゃん_SKZ(プロフ) - 続きが気になる....！！ (2023年1月24日 6時) (
レス) @page6 id: fe8355afed (このIDを非表示/違反報告)
甘味(プロフ) - マヤさん» ありがとうございます！！ぼちぼちまた更新再開しようと思ってるので頑張りますね…(^^*) (2019年8月16日 23時) (レス) id: 5f80f90127 (このIDを非表示/違反報告)
マヤ(プロフ) - とても面白かったです！更新楽しみにしてますね(o^^o) (2019年4月21日 8時) (レス) id: d7a9b15609 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：甘味 | 作成日時：2018年12月9日 19時
