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ただただ、走った。
千冬がどこに行ったのかわからない。
ただ行く当てもなく千冬を探す。
どこにいるの。
会いたい、ってこんなに思ったのは初めてで。
謝って、それから好きだって伝えて。
ただがむしゃらに千冬を探していれば、いつかの公園のベンチに座る人が見えた。
後ろ姿でもわかる。
すぐに千冬だって、確信した。
『千冬！』
私がそう叫べば、千冬はこちらを振り向く。
私の顔を見るなり驚いた顔をする。
『すき、！』
「は、？」
ギリギリ声が届く位置で立ち止まり、そう叫ぶ。
近くに行ったら、決意が揺らいでしまいそうで怖かった。
『中途半端なことして…ごめん、自分勝手でごめん！』
「…Aさん、？」
『私…千冬が好き、大好き、』
「……」
『今更かもしれないけど、私頑張るから！千冬が私のこと見てくれるように…頑張…」
「A！」
気づけば涙を流しながら話していた。
あーあ、泣き止んだばっかなのに。
ただただ無我夢中で話していれば、急に千冬が大きい声で私の名前を呼ぶ。
いつもはさん付けだから、呼び捨てで呼ばれて思わず肩を揺らした。
そのままズカズカと私の元に向かってくる千冬。
思わず退いたが、そんな私の腕を思いっきり掴んだ。
そしてその腕を引いたかと思えば力強く抱きしめた。
「バカ…遅いっす…」
『…ごめん』
「俺も、Aさんのこと好きです…」
さっき叫んだのとは真逆で弱々しくそう言う千冬。
そんな千冬でさえも愛しいと思ってしまって。
私は千冬の背中に腕を回してぎゅうっと抱きしめる。
耳元では、泣いているのか千冬が鼻を啜る音が聞こえる。
『泣いてるの？』
「別にっ…泣いてません！」
『絶対嘘だ』
「ほんとですもん！」
『はいはい』
私が呆れたようにそう笑えば千冬はむきになって“ほんと泣いてないっすから！”と言う。
『千冬？』
「はい」
『だいすきっ』
私は再びそう言って、千冬に軽く口づけを落とす。
わかりやすく赤くなる千冬からパッと離れて、そのまま腕を引いた。
『はーやく帰ろっ』
「ほんと…、次そういうことしたら知りませんから」
『え』
「俺だって男です」
『へ、いや、え？！』
「焦りすぎ」
やっと心から幸せと言える。
不幸があったぶん大きな幸せがある。
もう2度とこの幸せを手放さないように。
幸せを掴むべき人へ_____
_______________幸と不幸.Fin.
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みや(プロフ) - さくたんさん» ありがとうございます！場地オチ機会あったらぜひ書きたいと思っています！ (2021年10月3日 22時) (
レス) id: d7231c8dfb (このIDを非表示/違反報告)
さくたん - 場地さん落ちもみてみたいです！ (2021年10月2日 22時) (レス) @page33 id: 8ce623c5c4 (このIDを非表示/違反報告)
さくたん - いいお話でした (2021年10月2日 11時) (レス) @page32 id: 8ce623c5c4 (このIDを非表示/違反報告)
みや(プロフ) - �Г気�» 嬉しいです〜！ありがとうございます！ (2021年9月30日 23時) (レス) id: d7231c8dfb (このIDを非表示/違反報告)
みや(プロフ) - あやさん» 千冬頑張れー！って感じです！笑 (2021年9月30日 23時) (レス) @page21 id: d7231c8dfb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：みや
| 作成日時：2021年9月18日 3時
