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「つーか、今日何しに来たんだ?」
『え?』
「三途は居ねぇぞ?」
『……』
「おい鶴蝶ちょっと黙れ」
「は」
鶴ちゃんが口にした言葉。
もうここのみんなは知ってるもんだと思ってた。
黙って鶴ちゃんから離れれば、ココくんが私の頭を撫でながら言った。
「わりぃ、あいつだけには話してなかった」
『…なんで』
「いや、話す機会がなかった、つーか…」
『ふーん』
結局、ここにきても話題になるのは春ちゃん。
別に嫌なわけじゃないけど、いい気分はしないよね。
『私、もう帰るね』
「は、もう帰んの?」
『うん、鶴ちゃんの顔見たら元気出た』
「そーかよ」
竜胆にそうとだけ言って、部屋を出ようとする。
そうだ、今日の目的は鶴ちゃんに会いに来ること。
もう目的は果たしたんだし私は大人しく家に帰ろう、なんて思いながらドアノブに手をかければ何故か自然に開いたドア。
「…あ゙?A…?」
『は、は、春ちゃ…』
「A」
『ぐえ』
何故か、開いたドアの目の前に立っていたのは春ちゃん。
春ちゃんは私を見るなりぎゅうっと強く抱きしめてきた。
なんで、ここにいるの。
竜胆今日いないって言ったよね?!
そう思って無言で竜胆を見れば張本人も驚いた顔。
謎の無言の空気の中、口を開いたのはさっきまで黙っていた蘭ちゃんだった。
「三途お前今日出勤の日じゃねーじゃん」
「…ヤク取りきた。昨日忘れたんだよ」
『春ちゃ…ヤク駄目だって前あれだけ言ったのに…!』
「うっせぇよ、Aが側に居ねぇんだもん。ヤクやってねぇと落ちつかねぇんだよ」
『……』
少し元気がなさそうにそう話す春ちゃん。
そんな春ちゃんに対して胸が痛んだのも事実。
『…とりあえず、家帰ろ』
「Aは?」
『私も一緒に帰るから。休んでから話そう』
「…ん」
「おいA、」
『竜胆、大丈夫だから』
私の提案に対してそう返事をする春ちゃんと、心配そうに私の名前を呼ぶ竜胆。
竜胆に対してそう笑って見せるが、それでもまだ納得行かなそうな顔をする。
…とは言ってもまずは春ちゃんをどうにかしなきゃ。
『ココくん、車お願いしていい?』
「…いくら払う?」
『…意地悪』
「ごめん冗談」
こんな時に冗談言ってくるココくんも中々な気がする。
それからココくんに家まで送り届けてもらい、春ちゃんをベッドに寝かした。
3徹目は辛そうだし。
寝てる間、私の手を握って離さないもんだから少しどきりと胸が鳴った。
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蘭奈莉逢瑠悲@カナリア:ルカ(プロフ) - 春ちゃんさいっこうじゃないですかあああ!!作者様天才すぎる!!! (11月27日 23時) (レス) @page39 id: 4d14879615 (このIDを非表示/違反報告)
一尺八寸一犀 - 春ちゃん〜…あ〜もうすっごい好きです///愛してるってなんですか!?愛してるって!!え、カッコ良過ぎるんだけど!?竜ちゃん蘭ちゃんも素敵でした……///もうずっと読んでいたい╰(*´︶`*)╯♡ (9月4日 23時) (レス) @page39 id: 605bcc3c89 (このIDを非表示/違反報告)
NA - 春ちゃーーーーーん素敵すぎます!最後の''愛してる"カッコイイ☆夢主ちゃんもお幸せに♡ (2023年3月21日 10時) (レス) @page39 id: 9c547ad202 (このIDを非表示/違反報告)
宇治(プロフ) - オールして読みました、ガチ尊い。叫びたいけど時間的に無理だ🥲🥲🥲🥲 (2022年12月25日 5時) (レス) @page39 id: 3e85deed6b (このIDを非表示/違反報告)
やほやほ〜 - 蘭ちゃん=優男 竜胆=ツンデレ神 春千夜=すれ違い彼氏でいい? (2022年9月3日 17時) (レス) @page27 id: 89b4ed43fb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:みや | 作成日時:2021年11月16日 19時