東京卍會の姉貴

八戒 ページ33

『おっ、ぺーやん。おはよ』

ぺ｢お、おはざす｣

パ｢…何お前もじもじしてんだ｣

三｢はは｣



学校へ行く途中、ぺーやんとパーちん、それから隆に出会った。

学校違うのか同じなのか知らないけど仲良しかよ。

それはそうとだ。



『何でぺーやんはいっつも私と話す時そんなたじたじなの』

ぺ｢いや…別に｣

三｢俺の手芸部に安田さんっていんだけどさ、ぺーやん毎回詰め寄られてんだよな｣

ぺ｢おい三ツ谷！｣

『ああ、女子が苦手みたいな』



そこまで言うとぺーやんは気まずそうに顔を逸らした。

不良のくせに女子が苦手とか、可愛いところもあるじゃん。



ぺ｢…俺よりやべぇやつだっているんすけどね｣

『え、何が？』

ぺ｢Aさん、八戒って知らないっすか。弐番隊の｣



そいつは俺なんかよりずっと女が苦手です。

そう言った。

八戒か、聞いた事ある気がする。

けど多分、顔は見たことない。

そんな子なら印象に残るだろうから。



三｢ん、噂をすればだ｣

『えっいるの？どこどこ』

ぺ｢おーい八戒！｣



ぺーやんが声をかけた方を見た。

そしたら大きな坊主の子が近づいてくる。

もしかしてこの子？



八｢何ぺーやんくん。あっタカちゃん！｣

三｢うっぜくっつくな！｣

ぺ｢まあこんな感じの三ツ谷馬鹿だ｣

『へえ、思ってたより強烈だったわ』



女子が超苦手な子なんて聞いたら、普通もっと小さくて弱々しそうな子想像するじゃん。

まさかこんなイカつい子だったなんて。

青髪の坊主にバリアート。

それにピアス。

どこから見ても女子が苦手なんて風貌じゃない。

むしろ女好きって言われても違和感は無い。



三｢こいつ。A知ってる？｣

『んーん。初めて見たわ。八戒くん？花垣Aです。よろしくね』

ぺ｢あっ｣



よろしくね。

そう挨拶をしたが、目の前の彼からは一向に返事が返ってこなかった。

無言の時間が続き、助けを求めるように隆を見た。



三｢…こういうこと。分かった？｣

『え、マジで言ってる？』



マジ、と言って肘で彼を突いた。

すると意識を取り戻したようにハッとする八戒くん。

本当に女子が苦手なんだ。

しかもここまでとは。



『女子が苦手とかそんなレベルじゃない。細胞が拒否してんじゃん』

三｢面倒くせぇんだよな｣

八｢ん？何の話？｣



そう聞く八戒くんの目には私は映っていない。

何だか虚しくなったその時だった。



柚｢八戒？何してんの｣

八｢あ、柚葉｣

『…ん？』

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