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「と、いうわけで!本条さん?君はBGM係を担当してもらって…」


須王先輩が私をホスト部員たちで挟んで勝手に話を進めていくので思わずツッコんだ。


「いや、というわけでって、どういうわけですか。因みに言うけどやりませんよ?

私以外にもピアノを弾ける人はこの高校に何人もいるし、私である必要性はなんです?

CDをかけておけば解決じゃないですか。しかも須王先輩はピアノ弾けますよね」


そういって綺麗に言葉を返せば須王先輩はぐうの音もでないらしく、黙ってしまう。

でも、一方の鳳先輩はニッコリとほほ笑んで話しかけてくる。


「君は光と馨が好きなんだろう?なら、折角のこの機会を見す見す逃してもいいのか?」


おどしか。この先輩見た目によらず腹黒かったりするのかな。

まあせっかくの機会だし、私にとっても大きなチャンス。逃した魚が大きかったなんて、

後悔するのも嫌だから私は頷いた。


「わかりました。入部します。でも、週に二日は休みをくれませんか?

それと演奏会やコンクールなど用事が被ると思うのでその時も必ず休みが欲しいです。」


先輩たちはそれに頷いてくれたけど、常陸院ブラザーズは苦い顔をする。



「因みに聞くけどさ?アンタってスケジュール帳とかつけてる?」

「うん、つけてるけど」

「みせて」


私が常陸院ブラザーズのいう事を聞いて、鞄からスケジュール帳を取り出すと、

今月のページを開いてもっと苦くて、嫌な顔をした。


「ほぼ予定入ってるし…。」

「今月中はいろいろ予定があるんです。コンクールに向けて講師の方とレッスンの予定と、

コンクール当日、演奏会のリハを二回に演奏会本番、城ケ崎家の娘さんの

誕生日パーティーの演奏に、音楽大学のバイオリンの練習会もあるし・・・それに・・」

「全部言ってたらキリないだろ。ていうか、なんで吹奏楽部とか音楽部に入らなかったんだよ。」

「私はソロですから」


ホスト部員はその言葉に頭をおさえる。

常陸院ブラザーズも私の事は嫌いだけど、部の利益を考えているらしく、

私になるべく学校のある日の放課後は暇を作って欲しいと言われた。

かくして、私のホスト部の入部が決まった。

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作者名:卣秦 | 作成日時:2019年10月23日 18時

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