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「「「「「「いらっしゃいませ!」」」」」」


いつものポージングでお客様を迎え入れると、入ってきたのはおんなじクラスの藤岡。

今日はAのことで藤岡と色々あったから会いたくないんだけど…。

それにしても藤岡がホスト部になんのようなんだよ


「ここって、第三音楽室じゃ…?」

「ようこそホスト部へ!誰をご指名ですか…?」


藤岡がいろんなところに視線を向けて、第三音楽室の観察をしてると、

殿がすかさず、誰指名か聞きに行くけど、


「あ、本条さんがいる。じゃあ本条さん指名でお願いします」


だなんて、的外れな事を言う。意味わかんないんだけど。なんでA指名?

もしかして藤岡、Aを狙ってるんじゃ?僕はAの方を見せまいと、

ちょうどピアノを弾いてるAが隠れるように藤岡とAの間にたつ。


「あのさ、Aは指名できないからネ?それに何でホスト部に来たわけ?」

「いや、勉強する場所を探してて…。私Aを指名できないんだったら帰ります。」


さっさと帰れ、なんて言いたいところだけど、鏡夜先輩が僕を制した。


「光、一応お客様だ。ちゃんともてなせ。藤岡君。今本条さんを呼んでくるから、

あそこのソファに座って待っていてくれるかな?」

「はい」


Aは友達も男との関わりもあんまり多くないと思うし、

もしも藤岡のこと好きになったら…。

いや、ないない!藤岡のこと女だと思ってたし!


「わ!藤岡さんいらっしゃい!今紅茶を入れるね!ちょっと待ってて!」


…。こんな嬉しそうにするA、関わり始めてからだけど、初めて見た気がする。

もしかして、藤岡を好きになる可能性があるんじゃ…?

僕が観察をしていると、制服を自慢するためか、

Aは僕らの前でして見せたようにクルリと藤岡の前で一回転して見せる。

それを見た藤岡はニコニコと拍手をする。

Aは人との関わり合いが少ないし、普段ニコリとも笑わないから、

可愛いAを見ることは、僕らの特権だと思ってたのに…!

僕が羨めしく藤岡を見ていると、それに気づいたAが僕を手招きした。


「Aどうしたの?僕をお呼び?」

「ううん。藤岡さんと話したそうにしてたから」

「はぁ…?俺が話したいのは…。いや、いいよ。

藤岡と話したいからAはちょっと席を外してくれるかな。」

「うん?わかった。じゃあ藤岡さん、私ピアノ弾いて待ってるから、

光との話し終わったら教えてね」

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作者名:卣秦 | 作成日時:2019年10月23日 18時

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