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「あーもー、マジで朝から腹立つなぁ」
「光、そんなイライラしないの」
「わかってるけどさぁ…」
俺は大きなため息をついて、机に突っ伏した。
すると、「本条さん…?」と本条Aを呼ぶ声が聞こえた。
俺はその声のする方にチラッと起きてみる。
「あ、えーっと、塚内君だっけ?おはよう」
「お、おはよう!かみ!可愛いね!」
「これか。女の子たちにしてもらったの」
そこにはさっきよりグレードアップした本条Aがいた。
リボンもさっきのリボンと違って、レースのリボンになって、
サイドから編み込みのされたポニーテルになっていた。悔しいけど可愛いじゃんか。
俺がずっと本条Aの方を向いていると、本人が気づいて、
バツの悪そうな顔をして近くにいた男子の後ろに隠れた。
はぁ?可愛いんだけどさ?なんで俺から隠れるわけ。
俺はイライラして席から立ち上がって、教室から出た。
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僕は光が教室を出たあと、本条Aさんに話しかけた。
「本条Aさん、ごめんね。光がああなちゃって」
「馨君は謝らなくていいよ。私がもしかしたら悪いことしたかもしれないし…。」
そういうけど、彼女はすごい悲しそうな顔をした。
僕はそんな彼女に一つ言いたいことを言った。
「僕も本条Aさんが僕らに告白したばっかりなのに、
他の男と仲良くしてたのに納得はいってないけどね。しかも庶民の藤岡君。
光は自分は勉強面以外藤岡君に劣ってるところはないつもりらしいから、
自分より目下に思ってるやつに、自分が興味を持ってる
本条Aさんがとられるのが嫌なんだと思うよ。」
僕がそういうと、彼女は首を傾げた。
「他の男?藤岡さんが私をとる…?藤岡さんは女でしょ…?」
は…?
「ちょっと待って…?もしかして藤岡君のこと女だと勘違いしてたってこと…?」
「え、女の子でしょ?」
あの眼鏡に、あの髪型に、あの制服だよ?女なわけないじゃん!
まさか、藤岡君の性別を勘違いして関わってたなんて…。
「本条Aさんって、音楽以外には疎いっていうか…、鈍いんだね」
「え?」
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作者名:卣秦 | 作成日時:2019年10月23日 18時