【探偵チームKZ事件ノート】孤独な探偵は知っている

彩の意見 ページ18

あれから少し経ち、わたしはみんなに心を開くようになっていた


もちろん、アーヤも


「じゃ、話を変えてもいいかな？」


わたしが聞き、若武が許可する


「黒木がなぜこんなにＭＡＳＱＵＥ ＲＯＵＧＥについて知っているのか教えてくれないかな。」


黒木は目で上杉に合図を送る


上杉はうなずき若武を見た


若武もうなずきまた黒木に視線を送る


いいチームワークだな


黒木は口を開いた


黒「俺たちは何度かＭＡＳＱＵＥ ＲＯＵＧＥについて関わっているからだ。『ブラックメアリー』がＭＡＳＱＵＥ ＲＯＵＧＥに盗まれたときも、警察より早く動いていた。『ブラックメアリー』が店に戻ったのも俺たちの活躍、といっても過言ではないよ。」


なるほど、だからか


わたしはうなずきながら言う


「わたしも一度ＭＡＳＱＵＥ ＲＯＵＧＥに関わる事件を担当したことがあった。宝石は何とか戻ったものの、誰一人と捕まえられなかったんだ。それが悔しいんだよ。だから今回こそは絶対に捕まえる。賞金なんてどうでもいい。自分のプライドのために捕まえたいんだ。」


みんなは静まり返った


すると、突然アーヤが立ったんだ


彩「Aちゃん、わたしたちの友達にＭＡＳＱＵＥ ＲＯＵＧＥの研修生がいるんだ。」


それを聞いてわたしはとてつもなく驚いた


中一で、それも日本人のＭＡＳＱＵＥ ＲＯＵＧＥ研究生がいるなんて、思っても見なかったから


アーヤは続ける


彩「でね、今回はその子を使わずに解決したいと思ってる。」


上杉が突っ込んだ


上「なぜ？」


アーヤはうつむきながら渋々口を開いた


彩「・・・もう砂原に迷惑をかけたくないんだ。」


ほう、砂原と言うのか


彩「砂原は今すごく苦しんでると思うの。大切な人を失って。だからそっとしてあげたい。」


なんてやさしいのだろう


わたしなら、解決に一歩近づくために法律ギリギリまでやるし、その事件について詳しく知っているものがいれば絶対に利用させてもらっているだろう


友達を思うなんて、やったことがない


わたしはこのとき初めて、「友達っていいな」と思った


彩「この意見に賛成してくれる人は挙手を。」


わたしはすぐさま手を挙げた


ほかのメンバーも全員が挙げていた


アーヤはちょっぴり寂しそうに、ちょっぴり嬉しそうに言った


彩「ありがと。」


アーヤが座ると同時に、若武が立った


若「では、今後の方針を立てよう。」

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