【あんスタ】吸血鬼の妹は狼に恋をする２ (ページ15)

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部屋に入ってきたのは零兄と凛月兄。どうやら私を探していたらしい。

『どうしたの？』

2人が私を探していた理由はなんとなく分かる。

「…Aはさ、父さん達と行くつもりなの？」

最初に聞いてきたのは凛月兄だった。

『…分からない』

今の私には “分からない” という言葉が出てこない。本当に…分からないのだから。

『…話はそれだけ？』

「うん」

凛月兄から目を逸らし自分の足元を見る。

「少なくとも…我輩と凛月は日本にいてほしいと思っておる。Aにはまだ日本でやらなければいけないことがあるはずじゃ」

やらなければいけないこと。

『…』

“ …零兄になにを言われても…私は体育祭のアンカーを走る。また倒れるかもしれないけど…みんなの期待に応えたいの ”

あぁ。

“ これは…私が…決めたことだから…。 ”

そうだった。

“ …生徒会長、今回の件お引き受けします ”

私には…ちゃんとすることがあるんだ。

“ …Ich mag dich. ”

そして、気持ちを伝えなければいけない人も私にはいる。

『そうだよね…ありがとう。零、凛月』