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64 大切な話 ページ14

『大切な話って…?』


私は2人と向かい合わせになる形で座った。


なんだか嫌な予感する。


「…」

「…」

『お父さん、お母さん…?』


そんなに大事な話なのだろうか。2人はどう話そうか悩んでいる、そんな表情だった。


「A、よく聞いてくれ。決めるのはお前自身だから…強制するつもりはない」


『…うん』


私は深呼吸をし、まっすぐ両親を見る。



「私たちと海外で…生活しましょ。3人で」




『…え?』



母から出た言葉。意外だった。
海外で生活する?3人?零兄と凛月兄は?、そんなことが頭の中で巡る。


「零と凛月は問題ない、話はしてある。2人はアイドルをするために日本に残るそうだ」


父は私の考えを読んでいるのかのように答えた。

当然の答えだろう。2人には日本に残る理由がある。


じゃあ私は?


私が日本に残る理由。



「すぐ答えを出してくれると思ったけど…いいわ、ゆっくり考えなさい」

「返事は海外に戻る日まで…だ」

『…』



無言でリビングを出た。両親は引き止めなかった。どんな表情をしているかは分からない。

走って自分の部屋まで向かった。



私はどうしたいんだろうか。



『…落ち着かない』



自分の部屋の前に立った。まだ頭は混乱している。どこか落ち着ける場所があれば。


…そうだ。


部屋に入らず1階に戻る。その場所は少し複雑なところにあり、最近は全く入っていなかった。


扉の前に到着。扉には‘Library’と彫られてある。そう、ここは沢山の資料や本が眠っている場所、書庫だ。


幼い時は毎日のように通っていたこの部屋。最近は忙しくなり、部屋の前を通ることもなくなってしまったけど。


扉を開けると沢山の本が置いてある。久しぶりだ。


ここの書庫は日本語で書いてある本はほとんどなく、外国語の本ばかりだ。しかも古そうなものばかり。


もちろん吸血鬼…私達の一族のことについて書かれている本も置いてある。



『吸血鬼か』


はっとなった。もしかして2人が私を海外に連れていこうとしたのは一族から…。


「兄者、いたよ」

「こんな所にいたのか、A」

『…零兄、凛月兄』

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設定タグ:あんスタ , 朔間兄弟 , 大神晃牙   
作品ジャンル:恋愛
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ミラ - 更新頑張ってください! (2020年2月23日 2時) (レス) id: b8fc8df598 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:りんごあめ | 作成日時:2018年9月12日 19時

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