検索窓
今日:9 hit、昨日:29 hit、合計:429,848 hit

47.春色の魔法使い ページ48

夏「何で、今さラ…」


『うん、夏目君がそう思うのも無理はないね。でも、私はもう逃げたくないの。また皆と笑い合いたいの!』


夏「……そんなこと言ってモ、信じられないヨ」



とうとう夏目君は下を向いてしまった。



……私を信じられない、か。それもしょうがないのかもしれない。



だって私はあの時、なずなと彼らを天秤に掛けてしまったから。





そうして選んだのがなずなだったから……





でも、渉と話してわかったんだ。




私達はもっと話さなきゃいけないって。
お互い話せばちゃんと分かり合えるって。





天祥院とも。五奇人である彼らとも。そして、今日あった彼とも。





だからーーー






『お願い、夏目君。私と話そう』




真っ直ぐに彼を見つめるんだ。




夏「……」


『……』





沈黙することしばらく。




未だに夏目君は下を向いて、こちらを向いてはくれない。




と、その時、今まで黙って私と夏目君のやり取りを聞いていた春川君が声を上げた。



宙「ししょー、お姉ぇさんは本気なんだなー。だから話を聞いて欲しいんだな」



夏「宙……」



『春川君…』



思いもよらぬ人からの援護で。


私も夏目君も反射的に春川君の方を見た。




宙「ししょー」


夏「……ッ分かったヨ」



春川君には弱いのか。

夏目君は小さく呟いて、やっと私の方を見てくれた。







1年ぶりに向き合う、夏目君と私。







あの最後に会った時とまるで同じ光景で。




でも私は、あの時のようには逃げない。





『夏目君、私はねーーー』





彼の目を見て真っ直ぐと、自分の想いを伝えるんだ。

48.向き合えばわかる事→←46.魔法使いユニットさん



目次へ作品を作る
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (182 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
507人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:松並ゆの | 作成日時:2018年4月11日 19時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。