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4.泣き虫ヒーロー ページ5

あれから。何とか瀬名君を撒くことに成功した私は、1人物陰で蹲っていた。


『どうしよ…アイドル科広すぎて迷ったじゃん』


そう、私は今、いわゆる迷子というやつだった。


『とりあえず先生…』


は、見つかる訳にはいかないか。

これバレたらやばいよね。


というか放課後のこの中途半端な時間に、椚先生や佐賀美先生が校舎内にいるとは考えずらいし、ここから動きたくない。


だって、できる限りアイドルに会いたくないし。



そんな考えに集中していると、何だか後ろの方が騒がしい、ような…??


守「おぉ!そこにいるのはあんずか!?」


『………』


冷や汗を、かいた。


何故アンタがここにいるんだよ。やばいどころじゃないよね。絶体絶命だよね。


そう、隠れる私を見つけたのは、アイドル科の生徒、しかも熱血流星隊の守沢千秋で。





私のよく知る人物だった。




守「んん??よく見たらあんずじゃないな!お前誰だ!?侵入者か!?」


……相変わらず声でか。あ、けど。昔に比べたらすごい元気だなぁ。


あの頃はメンバーとも不仲でよく泣いてたのに……


守「おい、俺の声が聞こえてるか!?」


私が無視をし続ければ、次第にやかましくーーー大きくなっていく声。


ヤバい、これ以上大声出されたらバレる。


守「おい!もごッ!?」


『聞こえてるから、黙って』


守「ッ!?モゴモゴ!!?」


私はまた声のトーンを上げる守沢君の口を手で塞いだ。


ら、彼は目を見開き驚いていた。


あ〜あ、バレたくなかったなぁ。


なんて事を考えながら、




『……やっほ、守沢君』




私はそう声をかけた。

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作者名:松並ゆの | 作成日時:2018年4月11日 19時

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