【文スト】月下の桜は今日も微笑む

39枚目 ページ41

マフィアに着いた。昨日の今日だから流石に部下の黒服も警戒しているだろうと
用心して何食わぬ顔をして入ったが、誰も気付かない。


本当に大丈夫か、ポートマフィア。警備が緩すぎて何とも云えないな……
今度はあのモブ君に会わなかった。


取り敢えず太宰さんを見てないか首領に聞きに行ってみる。
バーン、と大きな音を立てて首領の部屋の扉を開ける。


『首領ー！！！うちの太宰さん見てないー？』
「！！！手前、首領になんて口聞いてやがる！！」


ゴンっと頭を殴られた。非道いなぁ、中也は…


「嗚呼、いや、別に良いんだけどね。ところで…太宰君がどうかしたのかい？」
首領の目が妖しく光る。


『ビンゴか……まさかこんな事だとは思って無かった』
「おや、もうわかってしまったのかい。相変わらずの推理力だ。是非ともうちに欲しいねぇ」
『………マフィアは嫌いじゃないけども、どうも良い思い出が無くて。』


まぁそんな事より、と首領に微笑みながら話しかける。


『うちの先輩は獄舎？』
「助けに行くのかい？」


試すように見られている。何もかもを見透かすように。


『さぁね』


負けじと挑発的な笑みを見せる。


「そうか。嗚呼、太宰君は獄舎に居るよ。芥川君が向かっているだろうね」
……じゃあきっとボコボコに殴られてるだろうな。ざまぁ。


『ふーん、見物に行こうかな』
そう云い残して部屋を出た。我ながら助ける気が無いなんて笑えるな。


＿＿＿＿＿


途中の廊下。コツコツと音を響かせて歩いていれば、少し昔の事を思い出しそうになる。
それと同時に太宰さんの事も考える。


どうやら和服ロリを連れて行ったのではなく、連れて行かれたみたいだ。


逆ナンに遭って捕まるなんて、らしくない。
一寸話のネタにしてやろう。それと………


ロリに手を出した幼女趣味だってかなり疑って引いていた事、謝ったほうが良いのかな。

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