40枚目 ページ42
No side
ところ変わってポートマフィア獄舎。
男が一人、壁に繋がれていた。
鎖に繋がれている割には上機嫌に鼻歌を歌っている。
そこに不機嫌そうに顔をしかめた男がやってくる。
鎖で繋がれている男___太宰は
獄舎に来た男___芥川に気付いていないようだ。
というか、気付いてはいるが無視しているのであろう。
気にせず鼻歌を歌い続けている。
それが癇に障ったのか、芥川は羅生門を発動させる。
が、相手は太宰なので無効化される。
そこで無視出来なくなったからであろう、太宰が漸く鼻歌を止めた。
「…ああ、君いたの」
先程とは打って変わった表情で云う。重苦しい雰囲気が辺りに漂っている。
「此処に繋がれた者が如何な末路を辿るか…知らぬ貴方ではない筈だが」
「懐かしいねぇ、君が新人の頃を思い出すよ」
会話が繋がっていない。
「貴方の罪は重い。突然の任務放棄、そして失踪。剰え今度はマフィアに楯突く。とても__」
とても元幹部の所業とは思えぬ、と芥川は続ける。
そこでさらに煽る様に太宰が云う。
「そして君の元上司の所業とは?」
ゴッという音を立てて芥川が太宰を殴る。
「貴方とて不損不滅ではない。異能に頼らなければ毀傷できる。その気になれば何時でも殺せる」
「そうかい、偉くなったねぇ」
また煽るように云う。完全に楽しんでいる様だ。
「今だから云うけど、君の教育には難儀したよ。呑み込みは悪いし独断専行ばかりするし」
「おまけにあのぽんこつな能力!」
芥川がぐっと殴りかかりそうになるのを抑える。
冷静に人虎を奪う、と宣戦布告をしたがやはり殴りかからずにはいられなかった。
「できるかなあ君に。私の新しい部下は君なんかよりよっぽど優秀だよ」
階段へ向かおうとした足をピタッと止めて芥川が振り返る。
先程よりも大きいゴッという音が獄舎に響いた。
65人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
文豪 - マイエンジェル中也ぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ (2019年6月4日 22時) (レス) id: 31faebb885 (このIDを非表示/違反報告)
霜月ありす(プロフ) - 通りすがりさん» ご指摘ありがとうございます!そうですよね、気付きませんでした。修正させていただきます! (2018年1月19日 21時) (レス) id: ffe872e589 (このIDを非表示/違反報告)
通りすがり - あの、シリーズ通しての指摘事項なのですが、設定キーワードのとこの…「ドックス」じゃなくて正しくは「ドッグス」表記だと思いますよ。(^_^;) (2018年1月19日 5時) (携帯から) (レス) id: 4f4058a2da (このIDを非表示/違反報告)
霜月ありす(プロフ) - イーストさん» ありがとうございます!感動です…これからも頑張りますのでよろしくお願いしますm(__)m (2018年1月1日 20時) (レス) id: ffe872e589 (このIDを非表示/違反報告)
イースト(プロフ) - すごい面白いです!(僕にも文章力わけてください!!)ってぐらい面白いです (2018年1月1日 1時) (レス) id: 52f7d8a17b (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:霜月ありす | 作者ホームページ:
作成日時:2017年10月17日 18時