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「A」
…られなかった｡
気付かれないだろう､そう思っていたけど
気付かれてしまった
こんな状況なのに彼は私の名前を呼ぶ
私は 必要 なの?
彼から､麗奈ちゃんから
離れたいはずなのに､足が止まる
彼は一体どんな表情をしているのか?
私にはもう彼を見ることが出来ない
正直､顔を見たくない｡
辛うじて保っている状態が壊れてしまうから。
「泉さん､どうした…」
「ごめん､麗奈｡一旦…静かにしてて」
麗奈ちゃんの息をのむ音が聞こえた｡
それはそうだろう､今まで泉くんは
麗奈ちゃんの言葉を遮ったりした事も､冷たい声で言い放ったりした事もないから。
私は 顔を上げずに次の言葉を待つ
汗が、じっとりと､嫌に流れる｡
「A､さっきの言葉の続き」
( やめて…もう… )
「ちゃんと言わせて」
( もう､いいの… )
「俺が本当に好きなのは」
( もう､わかってるから… )
────────── 「 危ない!!!!!!!!!!!!!!! 」
突然聞こえた 先生の声｡
顔を上げて声の方を見ると 誰かが誤って手放してしまったのであろう
テニスラケットがものすごい勢いで私の方へ飛んでくる
「っ!! きゃっ……!!」
避けようとするけどこれじゃ間に合わない…
「っ?! Aっ!!「っ…泉さんっ!!」っ?!」
ｺﾞﾝｯｯｯｯ
気づいた時には鈍い音がして
私の左手と守りきれなかった頭に当たっていた｡
直ぐに赤く腫れて頭からは血が流れる｡
感覚がなくなるくらい､痛みが激しくなり思わずしゃがみこむ
だんだん意識が朦朧としてくる中
…みんなの心配している表情が見えた｡
薫くんと千秋くんは何かを必死に叫んでいるようだった｡
──── ( …皆､心配してくれている｡嬉しいなぁ｡ )
そんな馬鹿なことを考えながら
私は意識を手放した｡
・
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・
もう泉くんの言葉の続きを聞かなくても分かる
だって 彼は " 麗奈ちゃん " を守っていたから｡
本当に好きなのは " 麗奈ちゃん " だろう｡
でも何故か思ってしまう
これは､私の勘違いかもしれない｡
妄想かもしれない｡
テニスラケットが当たろうとした僅かな瞬間
私は彼を見た
泉くんが私の名前を呼んで守ってくれようとしてくれた気がする
でも泉くんは麗奈ちゃんを守っていたから
きっと気のせい､だけどね。
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猫愛りあ - 泣いちゃいますおー！！良いのですかぁぁあーあの女野郎！！あいつ滅びてくれないかしら (1月12日 3時) (
レス) @page47 id: 02dbe6c294 (このIDを非表示/違反報告)
まお - 泣ける…!3Aの皆優しすぎ…!うるうる来る…! (2022年1月16日 6時) (レス) @page29 id: f9ab123213 (このIDを非表示/違反報告)
アリサ - 更新頑張って下さい楽しみに待ってます (2021年9月8日 17時) (レス) id: 2149cb42f2 (このIDを非表示/違反報告)
りこ(プロフ) - めっちゃ続き気になります！ (2021年2月21日 10時) (レス) id: 01e8b17a91 (このIDを非表示/違反報告)
リンゴアメ! - うおおお！！！切ないいいいいいいいい！！！！ (2021年1月1日 2時) (レス) id: 4fea662fb0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：セオ | 作成日時：2020年1月19日 17時
