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【紅音目線】
この模擬戦、私が思ってた以上に甘くない。
気づくと一松とチョロ松に挟まれていて、私はただ立ちすくむだけだった。
初めて出会って戦った時とは比べ物にならない。
呆然としてるとチョロ松の背後に黄色の影が見えた。
「あ。」
「え?」
私の声に反応したチョロ松が不思議そうな声をあげたと同時に奇声と共に十四松がやってきた。
「どうううううううん!!!」
振り上げたバットのような何かでチョロ松の頭をスパァァァンと叩いた。
チョロ松は反応が遅れ見事に命中。頭に黄色のインクが広がった。
「いってええ!おい十四松!!脳細胞が死ぬだろうが!もっと加減しろよ!!」
結局、半ギレでチョロ松脱落。一松は呆然としていつもの半目を驚きのあまり思いっきり開いている。
てかそんなに目開くのね…
まだ十四松とチョロ松は言い合いをしてる。
「あれ?い、一松?おーい?」
「……」
一松さんが固まってしまった。
ーーーーーつんつん。むにー
興味本位でほっぺをつついてみたり引っ張ったりしたけど反応がない。
「……えい」
ナイフでサクッと白いインクを一松につけた。
反応なし。一松脱落。
「十四松ーあんたのせいで一松固まってしまったうえに決着ついちゃったけど...」
「マジすか!一松にーさーん!!」
「……はっ!俺は一体...てか死んでんじゃん俺」
「反応なかったからつい...」
「まーいっか。俺寝てるから終わったら起こして」
そう言って一松は寝っ転がって寝息を立ててしまった。
あっけない終わり方すぎてさっきまでの恐怖心はどこへ……
「てか十四松と戦うとか私の頭割れそうになるんだけど」
「俺はあかねちゃんには手ぇ出さないよ!」
にぱぁっと周りに花が咲いたような笑顔を見て私は気づいたら手を合わせて涙を流していた。
「何イケメンてか笑顔可愛すぎ死ぬ」
「じゃー俺にーさんたちの方に行ってくるから!あかねちゃんも一緒に戦お!ね!」
「まぁ、ルール的には協力してはいけないって言うのはないからいいんじゃない?」
チョロ松の了承を得たところで私は十四松と協力しておそ松とカラ松を倒しに行くことにした。
ーーーー意外とこの模擬戦甘いみたい。
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作者名:きのこ松。 | 作成日時:2018年1月18日 20時