【カゲプロ】 初代【冴える】 と 現役【冴える】~Part4~

158章　　何かを得るには、何かを失う ページ26

A「・・・私は、皆大事だよ。だから、クロハと皆と一緒にいたい」


クロ「俺はAと二人きりがいい」


A「クロハが皆が好きじゃないのはわかるよ。それに、私の勝手な都合で振り回してたことも・・・ごめんね」





　
私は、皆といたいがために、クロハを無理やりアジトに連れて行ってしまった


それがクロハにとって、気分を害するものだと知っていたにもかかわらず、だ


それでもクロハはついてきてくれた、私のわがままを・・・聞いてくれた


でも私は、クロハのわがままをいつも否定してきた


・・・クロハと一緒にいるべきなのだろうか


皆のところに戻っても、皆に危害を加えてしまうだけ


これじゃあ、昔と同じだよ・・・


　



クロ「・・・俺は、Aを縛りたいわけじゃない」


A「・・・・？」



　


クロハは私から少し離れると、私の頬を優しく包みこみ、眉を顰(ひそ)めてゆっくり話はじめた


　



クロ「Aには、ここにいてほしいだけだ。



ここならAは安全だから、Aが誰かに傷つけられることもねーから



・・・他の奴なんてどうでもいい、俺の命だってどうなってもいい



　




　



　



　



　



　


――・・・Aが無事なら、それでいいんだ」



　
A「!!」



　



・・・ズルイよ


そんなこと言われて、そんな顔されて


「一緒にアジトに帰ろう」なんて、言えるわけないじゃん


こんなにも、私のことを想ってくれているのに


私のことだけを考えて、私のことだけを見てくれているのに


そんなクロハの想いを否定することなんて、できるわけない


クロハには、本当に私しかいないんだよ?


前からわかっていたことなのに、それでも私は帰りたいなんて思うの?






　
A「っクロハ・・・」


クロ「Aがどう思おうと関係ねぇよ、どんなにAが泣きながら、アイツらが大事だとわめいたとしても、俺の気持ちは変わらない」




　

「クロハと一緒にいたい」と、言おうと思った


でも、その言葉はのどから発せられることはなく、むなしくも消えていった


私はまだ、迷っているんだ


必要以上に私を想ってくれているクロハと


私を変えてくれた仲間


その間を、私はまださまよっている


クロハにつくと言う事は、何があっても裏切らず、私を責めずに受け止めてくれたマリーを裏切るということ


そして皆につくと言う事は、クロハを否定するということ




・・・どうすればいいの?

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