157章 苦悩の選択 ページ25
目の前で眠るクロハの寝顔を見続けて数十分
そろそろ手を放そうと思い身を引くが、クロハの感がそれを察知したのか、手を握る力を強めてきた
眠っているのに、その執着心はいったいどこからくるのだろう;
A「本、読みたいんだけどな・・・;」
チラッと視線を斜め下に移すとと、隣に散らかっている本がいっぱい
読み途中のものがたくさんあった
片手で読むにも無理があるだろうし、できれば放してほしい
そんな願いもこめてそうつぶやくと、心なしかクロハの手の握る力が弱まった気がした
私はゆっくり手を放し、念願の本を手にとって読み始める
これで少しは暇つぶしになるだろう
そう思って栞(しおり)をはずそうとしたときだった
ガシッ
A「へ?」
クロ「俺よりも本優先か・・・(ゴゴゴ」
A「ビクッく、クロハ!?起きてたの!?;」
クロ「力弱めても放さないと思ったのになー、あーあ俺傷ついたわー」
A「すごい棒読み・・・あ、そういえばクロハ」
クロ「俺の話はスルー?」
A「ごめんって!;そうじゃなくて、ウララのことはわかったの?」
クロ「ピクッ・・・・何が?」
ウララの話題を出したとたん、クロハは一気に不機嫌になった
これ以上聴いたらやばい・・・でも聴かなきゃ
A「ウララが諦めてくれれば、また皆と会えるでしょ?だからどうだったのかなーって」
クロ「なんもわかってねぇよ」
A「そっか・・・」
クロ「・・・そんなにあいつらが大事か」
A「皆大事だよ、クロハも大事!」
クロ「それでも、俺にはAだけだ」
A「・・・!」
クロハは私の持っていた本をゆっくり取り上げると、私の首に腕を回して距離を縮めた
額がつくかつかないかの至近距離で、クロハはまっすぐ私の目を見て話しかける
クロ「本音を言うと、このままAが戻らなければいいとさえ思ってる」
A「!」
クロ「・・・なぁ、どうしても戻らなきゃいけねぇのか?」
そう問いかけるクロハの表情はとても寂(さみ)しげで、まるで捨てられた子犬のようだった
そんなクロハを目の前にして、「戻る」なんて言えるはずもなく
私は、ただ無言でいることしかできなかった
それでもクロハは一向に離れる気配がなく、私がどう答えるかを待っている
私はアジトの皆も大事だ、でもクロハも大事なんだ
158章 何かを得るには、何かを失う→←夢主ちゃんのイラスト
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名無し16825号(プロフ) - 貴方の作品大好きで、いつも読ませてもらっています! 更新大変だと思いますが、頑張ってください! (2019年9月2日 20時) (レス) id: 8fbf982787 (このIDを非表示/違反報告)
チコリ - 面白くて寝れないです (2016年3月7日 0時) (レス) id: 0b4c6a57d5 (このIDを非表示/違反報告)
馬 - お疲れ様です!敬礼(-_- d///)あ、よく考えたら冴月さん、私の3つ上だったんですね!じゃあ今度から師匠って読んでも良いでございますでしょうか(/・^・キリッ) (2016年2月8日 20時) (レス) id: 0db8b09007 (このIDを非表示/違反報告)
神秦(プロフ) - 作者さん同級生だったんですね!?Σ( ̄。 ̄ノ)ノ 受験がんば!(あ、作者さんは公立受けないのかな?) (2016年2月6日 16時) (レス) id: 5243b5578c (このIDを非表示/違反報告)
キーボー( ´艸`)(プロフ) - 元キーボー☆カノキド廃クロ廃(ry です!更新再開おめでとう! (2016年2月6日 10時) (レス) id: 3c06f2dd90 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:冴月 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/Satsuki0111/
作成日時:2015年9月4日 19時