【カゲプロ】 初代【冴える】 と 現役【冴える】~Part4~

159章　　これが俺のやり方だ　　クロハside ページ27

・・・馬鹿だなぁ


あの召使を片付けるまでの間だけでいい・・・なんて思っておいて


いざ二人きりで過ごし始めると、それだけじゃ満足しなくなる


Aに、無茶な選択をさせてしまったな


俺にとっては簡単な選択でも、Aにとっては難しい選択だ


それをわかっていたくせに、俺はこうしてAに問うている


この意地悪な性格は、まだ直っていないようだ


　


A「私・・・は・・・・えっと・・・」


クロ「・・・」





Aは、いつものように俺から引き下がってくれるのを待っている


だが俺は何も言わず、Aがどう答えるかを待った


今にも泣き出しそうな顔で、困ったように目を泳がせている



　

A「私は、クロハも大事・・・皆、も大事・・・だけど・・・っ」


クロ「・・・あぁ、知ってる」


A「・・・考えさせて・・・まだ、決められない」


クロ「また逃げるのか?」


A「っ違――」


クロ「違わねぇだろ」



　


少し強めに言うと、ついにAは泣いてしまった


声を押し殺して、涙をポロポロと流していた


俺がどんなにAを想おうと、Aの気持ちは揺るがない


俺がどんなにAのことを愛していようと、アイツらの存在には勝てない


そのことに苛立ちを感じ、俺はついに、一番言ってはならない言葉をAに放った


　



クロ「・・・Aは、俺が嫌いか?」


A「!!」



　


その言葉が、Aにとってどれだけ残酷なものか


どれだけAを苦しめる言葉か、わかっていた


だがこうでもしなければ、お前は俺を選んではくれないだろ？





A「嫌いじゃ、ないよっ・・・ｸﾞｽｯ・・・」


クロ「・・・・っ」




Aの苦しむ姿を見ていられなくなって、俺はAを抱きしめた


俺はズルイな、こんなことしておいて、Aを手に入れようとしている


・・・いや、これが本来の俺のやり方なのか


欲しいものは、どんな手を使ってでも手に入れる


忘れかけていた、俺の本性


これが俺の、やり方だ


俺は腕の中で泣いているAの頭を優しく撫で、耳元に口を近づけ問いかけた


それはまるで、悪魔のささやきだ





　
クロ「俺を、受け入れてくれるか?」


A「・・・」



　

Aは、本当に小さくうなずいた


その瞬間、俺の中でうずまいていた罪悪感が


俺を選んでくれたという喜びによって一気にかき消された


・・・これでいい







　
クロ「好きだよ、A」

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