検索窓
今日:23 hit、昨日:0 hit、合計:59,837 hit

今吉夢2 ページ25




「…ぁぁぁ…解んない…!」


頭を抱えて唸る

目の前に広げられたテキストは1ページも進まない


「何やっとるん?」


誰もいないと思っていたので、肩が過剰なほど跳ねる

夕日のオレンジに染まっている放課後の教室に立っているのは、同じクラスの今吉くん


「今吉くん…?」

「Aちゃんやないか、どないしたん?」


ゆっくり教室へ足を踏み入れてきた今吉くんは、ニコリと人の良さそうな笑みを浮かべている


「あー、うん…テスト近いから勉強中…です」

「…とは言っても、あんま捗ってはおらんのやろ?」


ひょいと私の手元を覗き込んだ今吉さんは、笑ってテキストを人差し指で叩いた

恥ずかしさに居た堪れなくなって、顔を俯けた


「…お、これ応用やんか。結構進んどるんやなあ…」


今吉くんは、いつの間にかテキストを手に取って、赤ペンを片手に頷いている

言い方的に、きっと彼はこの辺も簡単に理解しているのだろう


「…ん〜と、ここは…」


ぶつぶつ呟き、何やらテキストに書き込んでいる今吉くんを見上げる

何を書いているんだろうと首を傾げると、それに気づいたであろう彼はテキストを畳んで渡してきた


…わざわざ閉じなくてもいいじゃんー


「まあまあ、そんな剥れんでええやん」

「ぅわ!?」


ックックック、と笑った今吉くんは私の頭を乱雑に撫でる

慌てて髪を整えていれば、離れた所から声が聞こえる


「ほな、頑張りや。…ちゃんとテキスト読んどくんやで」


ひらひらと手を振った彼は、颯爽とこの教室を後にした

頭を撫でられたことで熱くなった頰を意識しないように頭を左右に振った


…今吉くん、テキストに何書き込んでたんだろ?


最後の言葉を疑問に思って、先ほどまで開いていたテキストを再び開ける

そこには、赤線で囲まれている公式


「っあ!これ使えば…解ける!」


サラサラと頭の中で解けていく問題に、スッキリとした


「…あれ?まだなにか………!!」


書いてある文字の羅列に、引けてきていた頰の熱が一瞬で返ってきた









90点以上取ったら、デートでも行こか?









(赤点回避が目的だったのに…!!…死ぬ気で勉強しよう)

ツナ夢2→←花宮夢3



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (77 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
70人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

ユズナ(プロフ) - 今吉いぃぃぃぃぃぃいえあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあ!!!!(((( とりあえず、いまよしぬ レベルですよこれ…禿げそう(( (2015年11月8日 8時) (レス) id: f48090b258 (このIDを非表示/違反報告)
鹿野悠(プロフ) - 甘夏蜜柑さん» ありがとうございました!ブン太待ってます! (2015年7月12日 14時) (レス) id: 0a529b702d (このIDを非表示/違反報告)
甘夏蜜柑(プロフ) - 朔夜さん» 了解です!もう少し時間がかかってしまうかもしれませんので気長にお待ちください! (2015年7月12日 10時) (レス) id: b96b0fe977 (このIDを非表示/違反報告)
甘夏蜜柑(プロフ) - 涼風さん» 続編に行ったら書かせていただきます!一応赤司のは書いたのですが、僕司夢っぽくもなっているので別の物を書いて載せたいと思っています。 (2015年7月12日 10時) (レス) id: b96b0fe977 (このIDを非表示/違反報告)
甘夏蜜柑(プロフ) - 鹿野悠さん» 雲雀さんと仁王書かせていただきました!丸井くんはもう少しお待ちください! (2015年7月12日 10時) (レス) id: b96b0fe977 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:甘夏蜜柑 | 作成日時:2015年5月28日 15時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。