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木吉夢1-2 ページ21





「…何がッ大丈夫、なのっ」


つっかえながらも吐き出した言葉は、こんな時だけ素直で。

静かな部屋の中で、私の泣き声と彼の焦る声だけが聞こえる。


「貴方はっ!誰よりも…バスケがッ、好きなのにッ…」


キッと彼を睨みつけようとした時だった。

目を丸くしていた彼が写っていたはずの視界は、一瞬で変わる。

見えたのは、花瓶…確か彼の後ろにあったもの。

そして、視界を半分遮る水色の布。


…あれ?

確か…彼は、水色の検査服を着ていなかったっけ_______?


「A、泣かないでくれ…」


耳元で聞こえてきた、低音に肩を跳ねさせる。

状況を理解していなかった私に分からせるには、十分だった。

一瞬で頰が熱を持つ。


「き、よし…?」


「バスケなら大丈夫だ」


何が大丈夫なのかと尋ねようとして、彼の胸板を押してみる。

しかし、一向に回されている腕が弱まる気配はなかった。

耳元で囁かれる声に、身体が震える。


恥ずかしくて…どうにかなりそう…!


「アメリカに行く。アメリカに行って、手術を受けてくる」


「じゃ、ぁ…?」


「俺はもう一度、誠凛の皆とバスケをする」


驚きで一旦引っ込んだ涙が、もう一度溢れてくる。

よかった、なんて呟いてギュッと彼の服を握った。


「…そんなに、心配してくれたんだな」


嬉しそうな彼の声を聞いて、ハッと我に帰る。

力を込めて、胸板を押し全力で身体を引き剥がした。


「ば、ばば…バッカじゃないの!!?し、心配して何か悪い!?」


引っ切りなしに跳ね続ける心臓を掴みながらそう叫んだ。

ここが病室だとか、病人の前だとかそんなものは一欠片も頭の中には残っていない。


「っく、真っ赤だぞ」


笑われて、声にならない声がでた。


「も、もう帰るッ」


カバンの中から袋を取り出して投げつける。

それを器用に片手でキャッチしたから、また言いようのない感情が湧く。


「…A」


背を向けて歩き出した時、名を呼ばれて立ち止まる。

何かを投げられて、慌ててキャッチした。

手の中にあるのは、私がお見舞いに買ってきた黒飴一粒。


「A、ありがとうな」


「っ別に!」


ああ、やっぱり私の口は素直じゃない


そう思いつつ、病室を出た。









黒飴ひとつ、頂けますか?









(なんで抱きしめたのッッ!?)

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ユズナ(プロフ) - 今吉いぃぃぃぃぃぃいえあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあ!!!!(((( とりあえず、いまよしぬ レベルですよこれ…禿げそう(( (2015年11月8日 8時) (レス) id: f48090b258 (このIDを非表示/違反報告)
鹿野悠(プロフ) - 甘夏蜜柑さん» ありがとうございました!ブン太待ってます! (2015年7月12日 14時) (レス) id: 0a529b702d (このIDを非表示/違反報告)
甘夏蜜柑(プロフ) - 朔夜さん» 了解です!もう少し時間がかかってしまうかもしれませんので気長にお待ちください! (2015年7月12日 10時) (レス) id: b96b0fe977 (このIDを非表示/違反報告)
甘夏蜜柑(プロフ) - 涼風さん» 続編に行ったら書かせていただきます!一応赤司のは書いたのですが、僕司夢っぽくもなっているので別の物を書いて載せたいと思っています。 (2015年7月12日 10時) (レス) id: b96b0fe977 (このIDを非表示/違反報告)
甘夏蜜柑(プロフ) - 鹿野悠さん» 雲雀さんと仁王書かせていただきました!丸井くんはもう少しお待ちください! (2015年7月12日 10時) (レス) id: b96b0fe977 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:甘夏蜜柑 | 作成日時:2015年5月28日 15時

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