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リボーン夢1 ページ2

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女ってのはメンドくせぇ


この歳になるまで何度そう思った事だろうか。

そう、今俺の腹を跨いでいる女も。


「面倒って、思ったでしょ」


俺のネクタイのノットに白くて細い指をかけ、大胆な赤色が乗った唇の端が上がる。


「…あぁ、オンナってのは何時もメンドくせぇ」


俺はスーツに手を忍ばせ、相棒を手に取る。

Cz75、それが俺の相棒の型。


「…それでどうするの?」


微かな金属音を響かせ、女の腹に銃口を向けた。

それでも女は俺の腹の上から退かないし、笑みさえも崩さない。

俺は舌打ちをして、横にあったテーブルにそれを置く。


「あら、撃ってくれないの?」


恐怖どころか、殺されなかったことに眉を下げる女。


「退け、A」


「イヤ…って言ったら?」


しゅるりと解かれた黒い無地のネクタイ。

俺は顔色一つ変えずに、女の後頭部に手を添える。

そして、優しく引き寄せる。


「っん…キス、しちゃったわね」


香水でも、化粧品でもない女の香りに身体の奥の熱が燻る。


「…Ti amo、A」


「ウソツキ」


今日初めて崩れた笑顔。

浮かんできたのは、泣きそうな顔。


…あぁ、メンドくせぇ


「私は…何番め?」


女の問いに、頭を回転させた。


「今は、12人目だな」


「ふふっ…そう」


もっといるかと思ったのに


そう呟いた女はまた笑みを浮かべた。

次の瞬間、女は俺に銃を構える。

俺はボルサリーノを外して、笑みを讃えた。


「愛してるわ、リボーン」


カチャリと安全装置を外し指をかける女。


「両手で持て、脇を締めろ…よく狙え」


自ら心臓部分に合わせてやる。

そして肘を抑えてやり、女の腰に手を添えた。


「_____愛してるの…リボーン」


「あぁ、知ってるぞ」


細かく振動が伝わる。

震えてるのは俺じゃない、女の身体だ。


「A、撃て」


引き金に掛かっている人差し指に俺も指を重ねた。

異常な程に震えていた身体が止まる。


「…出来ないって、解ってるくせに」


コトリと置かれた銃。


…撃たねぇのか


そう思いながら、濡れる頰に手を伸ばす。

生温い水滴が手を伝った瞬間、俺は身体を起こした。

そして、体制を入れ替えて深く口付ける。


また今日も、殺さなかったな






今宵もまた、繰り返す






(また今日も、殺してくれねぇんだな)

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ユズナ(プロフ) - 今吉いぃぃぃぃぃぃいえあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあ!!!!(((( とりあえず、いまよしぬ レベルですよこれ…禿げそう(( (2015年11月8日 8時) (レス) id: f48090b258 (このIDを非表示/違反報告)
鹿野悠(プロフ) - 甘夏蜜柑さん» ありがとうございました!ブン太待ってます! (2015年7月12日 14時) (レス) id: 0a529b702d (このIDを非表示/違反報告)
甘夏蜜柑(プロフ) - 朔夜さん» 了解です!もう少し時間がかかってしまうかもしれませんので気長にお待ちください! (2015年7月12日 10時) (レス) id: b96b0fe977 (このIDを非表示/違反報告)
甘夏蜜柑(プロフ) - 涼風さん» 続編に行ったら書かせていただきます!一応赤司のは書いたのですが、僕司夢っぽくもなっているので別の物を書いて載せたいと思っています。 (2015年7月12日 10時) (レス) id: b96b0fe977 (このIDを非表示/違反報告)
甘夏蜜柑(プロフ) - 鹿野悠さん» 雲雀さんと仁王書かせていただきました!丸井くんはもう少しお待ちください! (2015年7月12日 10時) (レス) id: b96b0fe977 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:甘夏蜜柑 | 作成日時:2015年5月28日 15時

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