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転校2日目以降、あたしを含め四人はいつも一緒にお昼を食べるようになった
テニス部の勧誘もされるが、かわせばいいだけの事
けれど、今日は違った
丸「悪りぃ、A。今日昼にミーティングあんだ」
仁「…すまんの」
心底残念そうに、すまなそうにそう言って教室を出て行く二人に、苦笑を向けて見送った
食べようとお弁当を取り出した時、ポケットが震える
…光からだな
携帯を出して表示を確認する
そして、席を立った
「ねぇ、Aさん」
「ちょっと、いいかしら」
あたしの目の前に立ったのは、クラスのミーハー四人組
まだ、携帯は手の中で震えている
貴「…後にして頂きたいです、電話がかかってきているので」
そう言って、横を通り抜けた
舌打ちなどが聞こえてきたが、無視しておいた
…どこにでも残念女子はいるんだな
財『…ヤケに電話に出んの遅かったっすね』
中庭に出て、電話をとれば第一声はソレ
思わず苦笑しながらベンチに腰掛けた
貴「ごめん。ちょっと残念女子に絡まれてた」
財『なんやそれ…大丈夫なんか?』
残念女子がツボったのだろうか、光は少し吹き出して笑った
でも、心配はしてくれているらしい
貴「うーん、マネになれってさ…テニス部に言われてて、結構一緒にいるんだけど。ほら、やっぱりそういうの気に入らない人とかいるじゃない?」
財『あー面倒くさそうっすね』
貴「でしょう?」
スピーカーからザワザワといろんな人の声が聞こえる
光は教室で電話しているのかもしれない
…不良か
と、突っ込みたいが見た目からすでにアウトだ…光は
財『…マネ、やったらええんとちゃいます?』
貴「…え」
予想外のコメントに、一瞬息が止まる
財『すぐに…っちゅーか夏休みに入ってから合宿あるんすわ』
…知ってる
財『…もしかしたら…詩野サンやっけ?大変な事になるかもしれへん』
貴「…なんで詩野さんが?」
財『…なんかこっち、変な女がマネに立候補して来とんのです…ミーハーっぽ過ぎて笑えないんすわ』
そういう人種が一番嫌うのは…可愛くて愛される詩野さん
貴「え、なんでそんな人…マネに?」
財『知らんっすわ、権力がどーたらこーたら…』
貴「…典型的だね。でも氷帝は詩野さんにベタ惚れだよ?」
万が一でも変なことが起こるわけがないと思いながらも、変な焦燥感が生まれた
その焦燥感をどうにかするべく、光の声に耳を傾けた
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ひな - 凄く面白いです!読んでくうちに感動して涙が出ました! (2019年3月5日 2時) (レス) id: b401e87431 (このIDを非表示/違反報告)
ばろろん - 仁王希望で! (2015年3月30日 18時) (レス) id: 2ad4b6f1e3 (このIDを非表示/違反報告)
蘭希 - 財前オチがいいです! (2015年3月28日 19時) (レス) id: 09f1b7a4a3 (このIDを非表示/違反報告)
みかりん♪ - 柳さんがいいです! (2015年3月28日 10時) (レス) id: ef8895fc8b (このIDを非表示/違反報告)
ゴマミソ - 柳くんでお願いします! (2015年3月27日 9時) (携帯から) (レス) id: 499e9b52c7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:甘夏蜜柑 | 作成日時:2015年2月15日 13時